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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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村営住宅の十分な建設が 栄村復興と「若者のむら・栄村」実現の鍵を握っている-4

4. 栄村を中山間地域再生のモデルに

 最後に、展望について書いておきたいと思います。

a.国に財源はあるのか
 震災復興をめぐって、「国も財政危機だから、いろんな要望をしてもムダではないか」という声を耳にします。
 たしかに財源が無尽蔵にあるわけではありません。
 しかし、無駄をなくし、工夫をすれば使える財源はまだまだたくさんあります。
 “無駄”というのは、「国会議員が多すぎる。国会議員の歳費が高すぎる」、「公務員の数を減らすべきだ」というものだけではありません。
 “無駄”の最たるものは、国が村などに出す補助金の中にあるのです。
 それは、「国は村などに補助金など、あまりお金を出すべきだはない」という意味ではありません。国の補助金等の多くが、国が勝手につくった制度の枠組みの中でしか使えず、地域の実情に合っていないという点にあるのです。
 国の補助金等の制度を地域の実情に合ったものに変えれば財源はかなりの程度確保できるのです。
 一例を挙げましょう。
 昨年秋、私のところに農水省の新しい交付金の案内がきました。「被災地は農業への支援者を必要としているだろう。農業支援ボランティアを必要とする被災地と、農業支援をしたいと考えている人とをマッチングさせる事業を行なうNPO等にマッチング事業に要する経費を出す」というものです。
 このおカネはおそらく東京などに本拠を構える(かなり規模の大きい)NPO等に流れます。しかし、被災地が本当に必要としているのは、たとえば「支援にやって来てくれる人が宿泊する場所・費用がない」というようなことです。ところが、この新交付金事業はそういうことには使えません。
 私の推測ですが、国が補正予算を組むというようなことになると、都会のNPO等はこういう交付金制度の創設を求めて、かなり強力に国等に要望をしているのです。
 「カネの奪い合い」のような感じに受け取られると困るのですが、被災地が何を必要としているのかをガンガン要望していかないと、せっかくのおカネが村には回ってこないのです。

b.「栄村を中山間地域再生のモデルに」がカギとなる
 震災復興計画の策定方針に
「中山間地域の新たな復興モデルの創造」
ということが謳(うた)われています。
「『モデル』なんて自分にはあまり関係ない。とにかく自分自身、そして栄村が復興できるかどうかが問題だ」
と思われる人もおられることでしょう。
 これは重要な問題です。
 栄村が中山間地域再生モデルを目指すことによって、栄村の復興に必要な財源を確保することができるのです。

 長野県は中山間地域が非常に多い県です。県政の最大課題の1つは中山間地域の再生をいかに実現するかにあります。ところが、2年前の県知事選挙の際、私が記憶するところによれば、3人の候補者のいずれもが中山間地域再生の課題としての重要性は訴えていながら、「こうすれば中山間地域対策ができる」という具体的な政策は提起できていませんでした。
 現在の阿部守一知事が当選されたわけですが、阿部知事は中山間地域の再生の重要性を明言されています。そして、私が見るところ、阿部知事は栄村の震災復興が長野県の中山間地域再生のモデルになりうると考えられていると思います。知事は栄村の地震発災以降、少なくとも7回以上、村を訪れておられます。被災地という事情はありますが、県の端っこにある一つの村への年回訪問回数としては異例の多さだと思います。また、村と村民の要望に対する反応も非常に早いという感想を私は持っています。

 県から栄村復興計画策定委員会にアドバイザーとして出席されている市町村課長も、2月15日の第1回会合の際、「栄村を中山間地域再生のモデルにするのが県の方針です」と明言されています。
 以上のことから、語弊(ごへい)(誤解をまねく恐れがあること)を恐れずに言えば、栄村は地震被災によって、いま、震災復興から村づくりへ大きく前進するチャンスに遭遇しているのです。この機を逃す手はありません。
 村営住宅も平時であれば実現が難しいことを実現できるチャンスなのです。
 村営住宅‐若者住宅の十分な建設へ、住民合意をつくりだし、住民みんなで頑張っていきたいと思います。


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