環境系の大学で、イラストレーターとして開業した話

シマリスのイラスト 絵本 親子のしまりす リスの絵  Chipmunk illust Picture book cut

こんにちは、イラストレーターのいぬいさえこInui_Saekoです。

 

イラストのお仕事に興味のある方に向けて体験談を書いてみました。

 

私は絵かきを夢見ながら、絵と全く関係ない、環境問題を研究する大学に進む…

 

そんな回り道をしつつ「イラストを描く仕事をする」という夢を叶えました。

 

イラストレーターにとって、絵のスキルは大切です。

でも絵のスキルだけで、仕事を軌道に乗せていくのが難しいのもまた事実

 

変わったルートを歩んだイラストレーターへの道ですが、ひとつの体験談としてお楽しみ下さい。

 

今回は「イラストレータになるまで」シリーズその3【大学編】

 

”絵と違う世界に飛び込んだ大学で、身についた事”のお話です。

 

当時手に入れたものは、13年間のイラストレーター人生で、想像以上に役立つスキルでした。

 

それは、こんな3つの事です。

 

①本を読む習慣

②ものの見方・視点

③人とのつながり

 

※私が芸術以外の分野へ進学した理由は、こちらの記事をどうぞ。

「イラストレータになるまで」シリーズ

 

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1、イラストの仕事に活きる、本を読む習慣

まず手に入れたものの一つ目は、本を読む習慣

 

高校生のときは、デッサンや絵に明け暮れてたこともあり、読んで月に1~2冊。

 

一転して大学時代は、論文の参考文献、講義やゼミの予習にと、まさに本漬けでした

 

また「スゴイ教授」との出会いもきっかけ。

 

その教授は、色んな分野の質問しても知識の裾野がひろーーく、なんでも深い話をしてくれて、それぞれへの考察が、深い。

 

すごい…(ポカーン) 一体どうしたら視野をこんなに広く・深くできるの?

教授の研究室を訪れると、毎日大量の国内外の新聞・機関紙・書籍・論文、情報に触れ、データベース化していました。

 

その教授にはデータベース作りの入力のアルバイトをさせてもらえたのも、良い経験に。

 

カタカタカタ…(入力しながら)
すごい量…すごい量だ…。(めまい)
教養がものすごい人は、物事をこうして掘り下げていくのか…

プロの研究者が、知識を吸収し、考えを掘り下げていく様を、間近で見ることができた経験でした。

 

自分の歩んできた人生とは異世界で、カルチャーショックだったのと同事に、その姿はかっこよく見えたのです。

 

「知識を掘り下げるには、まずたくさん知ること。」

 

そんな姿が脳内にインストールされたのか、気づけば私も大量の本にあたるようになりました。

 

1つ知れば、また1つ知りたくなり、無限の知識の沼に「うわあああ」と吸い込まれていくような日々。

 

大学まで往復4時間かけて通学していたのもあり、待ち時間はとにかく読書

 

あれよあれよと、好奇心の赴くまま年300冊くらいは、読むようになっていました。

 

本の読み方が、身についた

300冊といっても、もちろん全ての本を1ページ目から最後まで読んでいる訳ではありません。

 

その時々の「自分の疑問」の答えやヒントを探しつつ、ガツガツ読む。

 

本を「読む」というより、目的の為に本を「使う」。

 

そんな読書のスタイルが身についたのは、社会の問題を扱った学科に進んで、研究した経験のおかげかもしれません。

 

読書のイラスト リスのこども 絵本タッチ 本を読む女の子の絵

「ジャンジャン本を読む暮らし」というものが、生活にインスト-ルされた事。

 

卒業して10年経った今も、「勉強しよう!」と意気込むでもなく、暮らしの一部として、絵のスキマ時間に本を読んでいます。

 

ニホンテンのイラスト 絵 日本の動物のイラスト
どっちかっていうと、読書のスキマ時間に絵を描いてないか!?

えっと…そうかも!(^o^)

 

そんなわけで、行動経済学、脳科学、心理学・経営学…色んな分野の本を、気の赴くまま読む暮らしを送っています。

 

私の場合、こんな科学を扱った文献が好きですが、本で得た知識は、デザインの提案や、絵のお仕事に活かせるものもたくさんあります。

 

ほかにも、普段から本を読んでると…

 

・何か絵の依頼があった時に、ものごとを調べるスピードが早くなる

・モチーフを描写する時に力となるその分野のベースの知識、観察力

・色んな考え方や知識にふれることで、課題を洞察する力が磨かれる

 

読書が趣味だと、イラストレーターにとってメリットしかありません

 

ヤマネのイラスト 絵 日本の動物のイラスト
じゃあ、具体的に、どんな風に絵の仕事に読書を活かせばいいの?

…と気になる方は、読書をもっと掘り下げたこちらの記事もどうぞ~

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2、デザインで大切な「ものの見方」

次に、絵のお仕事に活きているスキルとして大きなものはものの見方です。

 

わたしは、ちいさな頃から動物が好きだったことから、「動物保護についても教えてもらえるかもしれない」と環境社会学を専攻しました。

 

そこでの講義を、環境に良い生き方を教えてもらえる授業…とイメージしていたのですがそうではなかったのです。

 

ニホンテンのイラスト 絵 日本の動物のイラスト
そもそも、環境によいって何?

そう問いかけるような学問でした。

 

「ペットボトルをリサイクルすれば、エコである」というよく聞くフレーズ。

 

高校生の頃は「常識」「正解」だと思ってたのですが、実は一つの考え方にすぎないのかもしれません。

 

「なぜ?」「誰にとって?」「エネルギー的には?」「エコとは?」

「もっと良くするには、どうしたらいい?」

 

どんな課題にも、たくさんの切り口と、たくさんの答えがあります。

学ぶ事って、答えにたどりつくための「よい質問」を育てることなんだ。
正解を暗記することじゃなくて、自分らしい答え探すことなんだ。

 

そう知ってから、講義や研究がさらに楽しくなりました。

 

問題への「考え方」に興味が湧いた

私にとって、大学で一番おもしろいと思えたのがこの「考え方」

ニホンテンのイラスト 野生動物の絵 絵本タッチ ホンドテンの絵

 

温暖化、公害、リサイクル、動物保護、外来種…それぞれの問題に「視点」や「考え方」が、いろいろあるということ。

 

日常にある色んな問題を、すこし切り口を変えて、根本的なところから考える事。

 

それは、イラストレーターとして仕事をしていく上でかなり役立つスキルだったといえます。

 

10年以上仕事をしてわかったのは、お客様にとっての「よい仕事」とは、ただ頼まれた通りに絵を描く事ではありませんでした。

 

ゴールから逆算して、イラストを描く

「こうしたい」と思ってる課題に、そのためにはベストな方法はないかな?

 

問題をもぐら叩きせず、課題を解決に近づける、面白い切り口はないかな?

 

正論をぶつけるのではなく、デザインだからできる、人を笑顔にさせるアプローチはないかな?

 

大切なのは1つ1つの案件のゴールを、丁寧考えるプロセスでした。

全てのご依頼が、社会問題を解決する為のものではありませんが、どんなお仕事でも基本は同じ。

 

「〇〇さんを笑顔にしたい!」そんなシンプルなご依頼でも、「どんなアプローチがあるかな?」と考えるクセが身についたのは、大きな収穫でした。

 

アートだからできる事が、世の中にはある。

現場をみて、データを読み、自分なりに噛み砕き、ものごとの本質を探る。

 

その上で、問題への批判ではなくプラスの提案をすること。

 

4年間の環境や社会の問題を研究するなかで、その事の大切さを学びました。

 

大学や学会、市役所や警察署からご依頼を頂けることも多いです。

 

制作したポスター等が、読売や産経など、新聞に取り上げていただいたりがしたことも何度もありました。制作実績・新聞掲載歴

 

それは「絵のスキル」や「ビジュアル的な美しさ」からではなく、「切り口」や「アプローチ」が面白いと思っていただけたから。

 

本来、人は、正論だけでは動けないもの。

 

人の笑顔をうみだす、アプローチが大事なんだ!

 

そもそも、私は大阪生まれ大阪育ち、心がほっとするから、人の笑顔が大好き。

 

ヤマネのイラスト 絵 日本の動物のイラスト
人生は、笑ってなんぼや! (信念)

世の中にあるどんな問題も、「遊び心」や「笑顔」が鍵になる。

 

アートだから出来ることが、きっとあるはず。

 

これは、卒業して10年たった今も、私のものづくりの根っこになっています。

シマリスのイラスト 絵本のカット 親子の読書 リスの絵

イラストから少し離れた場所に身を置くこと、そこでしか見えないもの・知りえないものが目に入ります。

 

ものの見方や発想力は、絵を描くスキルと同じくらい重要なもの。

 

視野が広がること、絵の仕事にも奥行きや豊かさが生まれまていくのではないかと思うのです。

 

長い目で見ると、若く感受性が豊かた時期に、世の中の色んな問題を知る事。

 

それがジワジワと、人生かけて効いてくるんじゃないかなと思います。

3。絵と異なる環境で”つながり”が生まれた

最後に、手に入れたもの中で、なにより助けられているのは「人とのつながり」です。

 

二回生のときに、はじめた絵のお仕事。

 

環境や防犯や教育…社会の問題を扱ったポスター等は、最初は半分ボランティアのようなお仕事も多かったです。

 

当時はとにかく、絵の仕事がもらえる事自体が嬉しくて、すべて120%の体当たりで挑みました。

 

その事がよかったのかもしれません。

 

ニホンテンのイラスト 絵 日本の動物のイラスト
あのポスターつくったひと誰かな?紹介して下さい

こんな風に、仕事が次の仕事を呼んでくれるという嬉しい連鎖が生まれていました。

 

気がつけば学生業のかたわら、月に何件か抱えるようになり、卒業する頃には、就職せず独り立ちできると思える状態になっていました。

絵の仕事が、次の仕事へ、人をないでくれた。

シマリスとテンのイラスト 野生動物の絵 絵本タッチ シマリスの絵環境系のシンポジウムの警察署や市役所ポスター、

 

他の大学の自然系の学生サークル、

 

フィールドワークで知り合った方、

 

シンポジウムで出会った他大学の教授との出会い。

 

であってきた人、人、人…。

 

そのバトンをつなげてくれたのは、手がけてきた1つ1つの絵の仕事でした

 

それは数珠つなぎのように、13年経った今も現在のお仕事にもずっとつながっています

イラストの仕事に活かせる、スキル

今回は「イラストレータになるまで」シリーズその3【大学編】、

 

絵と違う世界に飛び込んだ環境で、身についたものの話でした。

 

①本を読む習慣

②ものの見方・視点

③人とのつながり

 

この3つは、卒業して10年たった今も、イラストの仕事に生きています。

 

ここで身につけたものを、叶えたい絵の夢に、どうやったら活かせるかな?

絵の分野とは異なる環境でも、そんな視点をもって飛び込めば、ずっと活きるスキルを手に入れることはできます。

 

イラストに、自分のどんな能力を掛け算したいのか。

 

絵の進路や将来を考える時に、何か1つでも考えの材料になればと思います(о´∀`о)

 

今回は、このあたりで

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小さな生きものイラストレーター いぬいさえこ
小さな生きものイラストレーター いぬいさえこ
リス・野ネズミ、こども・繊細なものを描いています。ものごとを掘り下げて考える過程が好き。大学では環境問題や文化を研究。

コンセプトから立ち上げるものづくりが得意です。防犯・教育・環境など、社会とつながるデザインの仕事に多く携わってきました。

正論だけじゃ、人は動けない、解決しない。
どんな課題も、スプーン一杯の遊び心で、笑顔に変わる。
アートにはそんな魔法の力があると信じています。

仕事実績 /レーベル
大阪市 堺市 大阪府警察 東京大学 大阪府立大学 滋賀県知事 日本学術会議 日本損害保険協会 ポニーキャニオン 宝くじ

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