集落の一致結束、そして〈交流〉で復興へ
- 復興ビジョン
- 2011.06.14 Tuesday

写真は、12日(日曜日)に小滝のお宮で行われた田休み・タケノコ狩りで乾杯の音頭をとる樋口正幸さんです。
想像を絶する田んぼの被害に直面しながら、復興プロジェクトチームを立ち上げ、被害調査を数度にわたって行ない、復旧方針、作付方針を決めてきた小滝の人たち。この日は、苦しい日々を援けてくれたボランティアの人たちも招いて、明るく、そして賑やかなタケノコ狩りを催したのです。
この集いに参加した東京在住の女性は、帰宅後、こんなメールを送ってきてくださいました。
本日は小滝に呼んでいただきありがとうございました。このメールには、「強くてあたたかい人たち」というタイトルが付けられていました。そして、彼女は「いい運営ができるのでは」と書いていますが、私はここに深い意味が込められているように受けとめました。
こんな状況でも非常に明るくてあたたかいもてなしに感激しました。
このようなオープンな人柄と団結力があれば、いい運営ができるのではと思います。
1つは、集落の復興にむけての結束、集落全員の力を合わせた共同の歩みが着実に進むだろうということです。私も、小滝のみなさんが非常にいい顔をされていたと感じました。希望のある顔です。
それだけでも素晴らしいのですが、じつはもう1つあります。
このメールの主は、この日、ある思いをもって小滝にやって来られました。震災で傷んだ古民家を修復し、栄村からの情報発信の拠点、都市部のさまざまな人たち、とくに若い女性との交流の拠点を築くことができるかどうか、自分の目で確かめようという思いです。
彼女が小滝から千曲川−関田山脈を望む景色を見て、「とても素晴らしい」と言われるのを横で聞いていましたが、景色だけでなく、集落の人たちの人柄、集落の人びとが醸し出す雰囲気にも心惹かれたのではないかと、私は推察しています。
私は、栄村の復興の1つの鍵は〈交流〉、〈村外村民〉、そして〈移住〉にあると考えています。栄村はたしかに大地震に遭い、大きな打撃を受けましたが、しかし、回復力を持っていると、都市部の多くの人たちから評価されています。なぜなら、自然と交わり、食べるものを自らつくり、人と人のつながりを大事にする暮らしをしているからです。

いま、東京の人たちは日々、目に見えない恐怖に怯えながら暮らしています。1つは放射能汚染です。公式発表されている以上に、東京の放射能汚染は深刻なようです。若いお母さんたちは子どもたちを安全に遊ばせる場がなく、食べものも汚染を心配する日々を送っておられます。田舎の実家に母子で疎開されている人も少なくありません。栄村には汚染されていない自然がいっぱいあり、自らつくるお米や野菜、そして山菜があります。
2つは、東京が直下型地震に襲われることを想定したときの怖ろしさです。福島原発に依存してきた東京。そこは現代文明が凝縮する空間ですが、それがいまや「繁栄の象徴」から「恐怖の根源」へと変わりつつあるのです。科学技術の塊りである高層ビル、地下鉄等々は人びとを守ることができません。東京が直下型地震に襲われたとき、わが栄村のように「死者ゼロ」というわけには絶対にいかないのです。だからこそ、いま、東京の人たちは栄村に注目しはじめているのです。

華やかだが脆い現代文明の街(東京・お台場)
かつて、高橋彦芳さんは、「東京のウサギ小屋(団地のこと)に住んでいる人たちと交流すれば、村の人たちは都会の人たちも疎外されていることに気づき、村に自信を持てるようになるはずだ」と考え、「ふるさとの家」の運動を始められました。現在の東京の人たちの疎外感はその当時の比ではありません。
栄村の復興は日本全体の復興につながっているのです。そして、私たちがそのことに気づき、〈交流〉の扉を開けるとき、色んな人たちが栄村の復興の力となるべく、集まって来てくれるのです。



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