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栄村ネットワーク
長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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復興へ、外とのつながり(交流)を活かそう 

「栄村復興への歩み」をブログでご覧いただいている方などから、いろんなメールをいただきます。そういうメールの中に、
 私も村の人が共同で営む民宿や交流の場に可能性を感じています。そのため先週末21、22日で秋山郷に行っていました。村からの情報発信に適当な場所を探索するのが目的でした。
 この3週間で栄村のことを知り、感じたことで希望やら感動やら不満やら大いにあり、実際に現地でやったほうが早いな〜と思い至り、適当な場所があったら、拠点となる場を作りたいと思っていたからです。
情報発信〜コミュケーション〜体験〜リピート化(お取り寄せや滞在)の流れをつくる仕組みを強化したいなと。
 ーネットの活用
 ー良いところをしっかり伝達するテキストや写真
 ー良い素材を購買につなげる商品開発
 ー村のファンを増やすコミュニケーション
などなど、できることがいっぱいあるのです。
栄村の自然や食品、産業などを知り、こんな魅力的な村をもっと全国に知ってもらいたいと思いました。村のひとがいきいきと働けて外の人がいつもアクセスしてくれるそんな拠点を村につくりたいと構想しています。

というようなお話があります。また、栄村出身の方からは、
現在、東京でフリーの編集・ライターとして雑誌を中心に活動をしています。
今回の震災の後、栄村のために何かできることはないかと考えてきましたが、自分にできることは、モノを書き・情報を発信することで「あそこで暮らしたい」「あそこに行きたい」と思える村の魅力を伝えることではないかと思っています。ゴールデンウィークに帰省し、両親や同級生から、村を出て行った人がかなりいると聞いたことで、その思いはさらに強くなっています。幸い、力になりたいと言ってくれる編集者やライターもいます。
というメールをいただいています。
 さらに、東京在住の支援者が中心となって、復興メディアの軸になるものとして『月刊栄村』という月刊誌を作る話が具体化しつつあります。
 他方、「かあちゃん家」や極野山菜生産組合には、県内の直売所から山菜の注文が連日来ていて、安曇野では直売所が間に入って旅館や民宿で栄村の山菜を使った料理を出す取り組みが行なわれているそうです。


<集落からの情報発信を>
 こうした外部からの栄村への働きかけ、支援・交流の動きは、栄村の復興にとって大きな力となるものです。
 復興は単なる原状復旧ではありません。これまでの栄村に不足していたものを新しく創造していくことによってこそ本当の復興を実現することができます。
 これまでの栄村に不足していたものの1つは、村の側から外にむかっての強力な情報発信ではないでしょうか。情報発信は役場や振興公社だけに頼っているべきものではありません。〈村〉という単位で考えるから、役場等への依存が生まれるのかもしれません。それぞれの集落からの情報発信を考えてはどうでしょうか。
 以前に「小滝通信」を紹介しました。発行者の意図は飯山などに分散した集落の人にむけての情報発信にあったのだと思いますが、じつは、村の外の人が「小滝通信」に非常に高い関心を示されています。
 インターネットでの情報発信が得意でなければ支援者をお世話しますし、上に紹介した『月刊栄村』のような企画を活用するのもいいと思います。




<首都大学チームの提案>
震災以降、すでに2回、村入りされている専門家集団に首都大学東京事前復興研究会チームという、変わった名前のグループがおられます。
 このチームが、つぎのようなプロジェクトを提案されています。
1. 集落総体復興に向けた風景資源マップづくり
 栄村は、山間部、街道沿いの中心部、河川沿い、それぞれに異なった構成要素を持った集落群から構成されています。栄村全体の風景を保全再興させるためには、集落ごとの景観的な特徴を調査する必要があります。

  5月上旬に実施した先行調査において、栄村の山間部に位置する小滝集落では、豊かな山並みを遠景とし、地域の伝統的な様式を保持した家屋からなる集落風景 が維持されてきたことが分かっています。 これらを取り巻くように、此処の家には雪解け水を処理する「たね(人工の池)」が設置され、そのせせらぎにより 集落内には水系ネットワークが形成されていました。


伝統的な家屋と季節の花々(軽微被害古民家)


集落のところどころにある「たね」

 集落内の小道には、村民たちによる自主的な活動による花植えが行われ、桜などの木々とともに季節を感じることができる美しい山間集落です。ところが、今回の地震により、これらの家屋に甚大な被害が発生したことで、今後風景が大きく変化する懸念があります。
 具体的には集落中心部の大きな古民家が解体され、建て替えが行われた場合、集落の様相は大きく変わります。また、公民館の修復、公営集合住宅の新築等が1〜2年内に行なわれる予定となっていることから、これに向けた対応も重要です。
 そこで、私たちは個々の集落における風景資産を調査し、これを「風景資源マップ」としてとりまとめることで、調査結果を建替えに向けた集落内部での議論における基礎資料として提供することを考えています.
 “何が”守るべき重要な風景資産なのか、“どこに”問題点が存在しているのか、集落内の景観構成を分析し、集落における風景の構成要素を抽出・整理します。
 これは地震からの復興段階において、風景資産を活かした木造建築での再生を検討するためには、その土台となる風景資産の評価は不可欠なものであるとの認識に基づくものです。


2. 被災古民家修復・活用ワークショップ

(※画像クリックで拡大)

  被災により住み続けることを断念せざるを得なくなった古民家がいくつか現れています。朽ち果てていく古民家,荒れ果てていく田畑とならないうちに、集落を 活性化させていくための活用方法が望まれています。本活動ではこの活用方法の提案をワークショップ形式にて行い、集落住民主導の修復・活用、また集落の活 性化を目指すことを第一の目的と考えています。
 これらの活動により、結果的に集落景観の保全、栄村の特徴的な民家形式を活用しながらの保全と、建物固有の歴史の継承を図りたいと考えます。


3. 被災空家古民家の積雪期に備えた応急修理
 震災を機に,空家化する古民家に対して,上記のワークショップで再建プログラムを組み立てることと平行して,積雪に耐えうる応急対応を行います。


  この提案では“集落景観”が復興の大きなテーマの1つとして取り上げられていますが、集落景観とは言葉をかえれば、集落の人びとの暮らしの様相だとも言え ます。むら(集落)の暮らしが外の人たちにどのように映っているのかを知ることによって、むら(集落)の価値が明確となり、集落復興ビジョンをつくってい くうえで大いに参考になると思います。
 
 外とのつながり・交流を活発化させ、復興の知恵を創造し、これまでよりももっといい栄村を創り出していこうではありませんか。
 

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