新たに判明した田んぼの被害と、農業復興ビジョンの方向性
- 農業再建問題
- 2011.04.21 Thursday
これまでにも何回がご紹介した信州大学農学部の木村和弘先生が、NHKテレビの取材への協力で震災後3度目の村入りをされました。
午前中、小滝集落の田んぼを見て廻りました。

写真1
まず、上の写真1をご覧ください。これは、小滝の田んぼで最もひどい被害を受けている箇所のうちの1つにむかう農道で撮影したものです。農道の先端部分の左手に雪が消えて田んぼの一部が見えている箇所があります。ここがひどい被害が出ているところです。同じ写真1の中央やや右寄りのところに建物が1つ見えます。ここが横倉集落の入り口付近で、激しい道路崩落と田んぼの被害が出ているところです(下写真2参照。「雪消えが始まり、見えてきた被害の凄まじさ」で既報)。
午前中、小滝集落の田んぼを見て廻りました。

写真1
まず、上の写真1をご覧ください。これは、小滝の田んぼで最もひどい被害を受けている箇所のうちの1つにむかう農道で撮影したものです。農道の先端部分の左手に雪が消えて田んぼの一部が見えている箇所があります。ここがひどい被害が出ているところです。同じ写真1の中央やや右寄りのところに建物が1つ見えます。ここが横倉集落の入り口付近で、激しい道路崩落と田んぼの被害が出ているところです(下写真2参照。「雪消えが始まり、見えてきた被害の凄まじさ」で既報)。

写真2
さらに、その先の山の上に鉄塔があります(小さくて、やや見えにくいですが)。この鉄塔を山の反対側から撮影したものが写真3です。

写真3
写真中央上に鉄塔が見えます。これは「雪消えが始まり、見えてきた被害の凄まじさ」 及び本レポートNo.5で「地滑りが発生している可能性がある」と報告した地点で今日撮影したものです。すなわち、小滝の田んぼで大きな被害が出ている箇 所、横倉集落で道路と田んぼに大きな被害が出ている場所、そして青倉集落で地滑り発生の可能性も含む田んぼの被害が出ている箇所、この3つが同一線上にあ ることがわかります。いわゆる「地震の通り道」ということです。
さて、小滝の田んぼの被害状況です。

写真4
これは1枚の田んぼの中に生じている段差です。この写真の右奥に見える畦の方向から同じ田んぼを撮影したものが写真5です。
写真5
つぎに、写真5の畦を写真右方向に進んだ地点から集落方向を見ると、畦があきらかに下がっている姿が見えます。写真6で、雪が消えている畦の左部分です。この畦のところに行ってみました。次頁の写真7です。

写真6

写真7
そして、この田んぼの横を流れる水路は写真8のように、U字溝が押し上げられ、水が溢れています。

写真8
初めて見る、なんとも形容のしようのない光景です。なんともやるせない気持ちになりました。
<復旧ではなく、復興のビジョンを>
本当に気も滅入るような被害状況ですが、木村先生から昨日メールでいただいたメモにつぎのような記述がありました。木村先生が昨日、県農地整備課を訪れ、栄村の復興について申し入れをされた際のメモです。
1. 震災に対する視点
個別の被害だけに注目すべきでない。震災の被害は、農地だけでなく、住宅、納屋(収納庫)、農業機械など全てに及ぶ。農地とその他の被害を関連づけて検討することが必要。
震災対策は、総合的な対策が必要である。
2. 復旧と復興
復旧:もとの形に直す。原型復旧
復興:再び盛んになること。以前よりもよい形に。
非常に重要な提起だと思います。
じつは、写真4、5に示した田んぼの耕作者は、住家が損壊し、現在は飯山市の仮住居に入っておられる高齢者です(昨日のレポートで紹介した人とは別人 物。Yさんとします)。お一人の高齢者に住宅被害、農地被害が重なってのしかかってくるのです。「住宅問題は住宅課、農地被害は農地整備課」という縦割り では、この高齢者の方はやっていけません。〈総合的な対策〉が必要な所以(ゆえん)です。そして、〈総合的な対策〉を導くものが〈復興ビジョン〉なので す。これが第1点。
そして、〈復興〉は単なる原型復旧ではなく、「以前よりもよい形に」するものだということ。これが第2点です。
私は昨年夏、小滝集落のT型集落点検というものをやっています。Yさんはじつは、現在のところは後継者がない状況です。このことだけを考えれば、状況は 「絶望的」とすらいえなくもありません。しかし、後継者が絶対に確保できないと決まったわけではありませんし、また、小滝集落には「小滝で暮らしていきた い」と考えている若者(現在は他地域居住)が少なくとも5〜6名います。それらの若者が小滝で暮らすことができるような農のビジョン、職作りのビジョンを 震災という状況下でこそ創造していかなければならないということです。
一つのヒントとなる手がかりが青倉公民館再建運動の中にあると私は考えています。
青倉公民館再建運動はいまでは見知らぬ方々を含む多くの方々からのご支援を受けていますが、出発点は青倉でとれるお米=青倉米の直売運動と青倉の棚田を めぐる都市住民と村人の間の交流です。小滝の復興をいろんな人たちにアピールし、小滝を農と食、そして歴史・文化の交流拠点としていくことです。幸いなこ とに、小滝の人たちは一昨年から古道復活・整備に取り組み、すでに古道ファンも生み出してきています。「そんな話は甘っちょろい」と思われる人もおられる かもしれませんが、私は希望を抱いています。
小滝の人たちは24日(日)、「お茶のみ」的な集まりを持ち、これからのことについて意見交換されると聞いています。小滝から出てくる声、アピールに注 目し、小滝の被害農地の復旧を農地保有者だけの問題にとどめず、私たちみんなで考えていくことが必要なのではないでしょうか。



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むらたびは、体験イベントを通して栄村の〈むららしい暮らし〉や自然を満喫し、栄村の復興に繋げる新しい旅です。






