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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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伝統工法の民家の修復に力を入れることが重要 ――「栄村モデル」の発信を

 16日、「被災建物・住まい修復・建て起こし説明相談会」で建築家、設計士、大工さん、さらに木挽師の方々が来村下さり、午前の説明会に続いて、午後は夜6時過ぎまで8軒(うち1軒はお宮)を個別に廻って相談を受け付けていただきました。

 非常に印象的だったのは、伝統工法で建てられた家々で、「これは立派な家だ。ほとんど大丈夫」という言葉が次々と発せられたことです。見た目にはじつに古い家屋で、震度6強の地震にはひとたまりもないように見えます。しかし、伝統工法の家は地震にじつに強いのです。現代とは違い、材がきわめて大切な時代であり、地震がきても構造材が傷まない工夫が随所にしてあるのです。

 栄村は伝統工法の優れた家屋の宝庫のようです。そして、それは「にほんの里」らしい景観を保っている重要な要素でもあります。

 さて、「大丈夫」とは言っても、それは「解体・廃棄・新築」の必要はなく、修復して地震に耐えられる家屋として維持することが可能という意味であり、建て起こしなどの修復が必要です。
 ここで2つの問題が生じています。

 1つは、15日の座談会でも住民から発言がありましたが、罹災証明のための被害度調査判定において伝統工法の家屋の特性を踏まえた調査判定がなされていないのではないかという疑問が住民の中に強くあるということです。

  長野県はこれまで大きな地震がなかったことから、県から派遣された職員も含めて、伝統工法に精通している調査判定者は基本的にいなかったのではないかとい う疑問があります。判定に納得できない人には異議申し立ての権利がありますが、異議申し立てによる第2次調査においては、伝統工法に詳しい専門家の同席を 求めるという措置をとるべきなのではないかと私は思います。

 2つは、地震の圧力から家屋を守るために基礎からずれるような工夫がしてあ るというような伝統工法の特性を知らない建築士などに、「この家を修復するのに、費用はどれくらいかかりますか」と尋ねると、「新築と同じくらいかかる」 と答えるという事例が報告されていることです。

 これでは家主が参ってしまい、「じゃあ、解体するしかないか」と思ってしまいます。そうすると、栄村の貴重な財産である伝統工法の家が次々に姿を消してしまうことになりかねません。

  これを防ぐには、伝統工法に詳しい専門家の力をお借りすることが必要不可欠です。16日の説明相談会のようにNPOなどの力を発揮する相談会等をさらに積 極的に行うとともに、県の「栄村復興支援方針」に記されている、役場内に設置されている住まいについての県の「専用窓口」がそうした伝統工法の専門家と連 携するようにすべきだと思います。
 
 15日の座談会の折にアドバイザーの澤田先生にお尋ねしたところ、中越大地震では被災した伝統工法 の家屋は少なかったようです。栄村は伝統工法の家屋が多く、それを震災被害から修復し守る新しいモデルを発信するにふさわしい村だと思います。県もそのこ とを踏まえた対処をしてほしいと思います。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事