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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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復興ビジョン委員会が必要です

この数回、私のレポートでは復興に関わる提案等をおこなってきましたが、栄村の復興を実現していくには、「復興ビジョン」が必要です。「ビジョン」なしには復興はできません。

●「復興ビジョン」とは

 「復興ビジョン」とは、たとえば「村道を修復するのに■万円」というような具体的施策を示すものではありません。「復興ビジョン」は、
 
 ・ どういう村をめざして復興を進めるのか
 ・ どういう理念・考えで復興を進めるのか
 ・ 復興の主体(主人公)は誰か

というようなことを明確にし、具体的な復興計画(施策)を策定していくうえでの基本的考え方、ガイドラインを示すものです。
 こういう「ビジョン」がないと、震災からの復旧はよくて原状復帰、悪い場合は原状復旧すら実現できません。
 
●復興ビジョンでいちばん大事なこと
 私は「復興ビジョン」でいちばん大事なことは、
震災で村の人口を一人も減らさない、いや、人口を増やす転機にする
ことを明確に謳(うた)うことだと考えています。
 これを空論だと思われる人は多いと思います。
 しかし、昨日12日、見舞い金を持って村を訪れられた信州大学副学長の笹本正治先生とお話する機会がありましたが、笹本先生は、
「日本は食料もエネルギーも自給率が非常に低い。今回の東日本大震災が突き出した問題は、食料、水、エネルギーの確保へ、中山間地の重要性をきちんと位置づけ、その再生を図ることだ」
という趣旨のお話をされました。
 また、先日、滋賀県の嘉田由紀子知事(関西広域連合の福島県支援担当)とお話しましたが、嘉田さんも同様のご意見でした(嘉田知事は私の元同僚です)。

●栄村を中山間地の再生モデルに
栄村がそうした中山間地の再生モデルとして復興を実現することが求められているのです。国もそういうことを期待している節があります。
 
栄村には復興・再生のモデルとなりうる条件がいくつかあります。
 第1は、長野県の中で被災地が栄村だけだということです。
 1村だけですので、県の動きを含めて、機動的に復興に取り組むことができます。いくつもの市町村が被災し、被災地が中山間地だけに限定されない県や市町村では、中山間地復興・再生には取り組みにくいのです。「被災地は栄村1村なので、復興基金は求めにくい」などと言っている場合ではありません。

 第2は、栄村が「平成の大合併」をせず、自立の村であることです。
 栄村がたとえば飯山市に合併していたとしたら、今回の震災は「大きな市の一部、それも辺境の地域の被災」ということになり、中山間地の復興・再生どころか、「飯山市の市街地に移転すればよい」というような扱いになったかもしれません。いまこそ、自立の道を選択したことの利点を生かすときです。
 
 栄村を中山間地復興のモデルにするという考えは国にもあるような感じが最近しています。NHKテレビが全国放送で栄村を取り上げることが多くなったのも、そういう意味で、重要だと思います。明日14日の「栄村の復興を考える会」を起点として、みんなで復興ビジョンをつくっていくようにしたいと思います。
 (了)