県の復興支援方針について
- 公的支援
- 2011.04.18 Monday
15日に発表された長野県の栄村復興支援方針は、以下のURLにアクセスすれば、読めます。
http://www.pref.nagano.jp/soumu/shichoson/hukkoushien.htm
さて、これに対する私の感想、意見を少し記したいと思います。
第1点は、「ふるさと栄村に安心して住み続けられるよう」にすることが基本方針として謳われていることは高く評価したいと思います。
別の表現では、「過疎地域、特別豪雪地帯」という「村の特性」を踏まえた復興支援をするとしています。
これは、4月4日に阿部知事が2度目の来村時に表明した考えを踏襲したもので、この基本方針を貫いてほしいと思います。
第2点は、「支援メニュー」です。これは10分野41項目にわたるものですが、残念ながら、それについてはあまり高い評価をすることができません。
1つには、県が打ち出す支援施策は当然のことながら財政(予算)的裏付けがなければならないため、国の東日本大震災の復興政策があきらかになっていない現段階では制約があるという事情があると思われます。
しかし、2つには、具体的施策を立案する県庁の担当部課が「ふるさと栄村に住み続ける」ということの意味、あるいは「村の特性」というものを本当に理解するには至っていないのではないかと思われます。
たとえば、最重要の仮設住宅についてですが、「村の特性」を踏まえたと思われる記述があります。「地域コミュニティの維持、バリアフリー等に配慮」とい
うものです。「バリアフリー」は高齢者が多いという特性を踏まえていると思われますが、「地域コミュニティの維持」という部分には「?」を付けざるをえま
せん。
なぜなら、建設予定地が「横倉農村広場グランド35戸」となっているからです。これでは集落に帰れないことは先に指摘したとおりです。村役場自体が村民
の願いを充分に受けとめていないという問題も絡んでいるのかもしれませんが、やはり気になるのは「地域コミュニティ」という表現です。
なぜ、ズバリ、「集落の維持」と言わないのでしょうか。「地域コミュニティ」という表現だと、「栄村は1つの地域コミュニティだ」とも言えなくはないで
すし、また、「北信は1つの地域コミュニティ」とも言えなくはありません(「北信」は森、青倉、横倉の3つの集落から成る大字(おおあざ)の地名)。しかし、むらのコミュニティの基本単位は集落なのです。それは人びとの意識においてそうであるとともに、それにとどまらず、暮らしが一定の自己完結をする単位が集落なのです。とくに高齢者にとって集落の外に出かけることは大変なことなのです。
たとえば、青倉集落は、横倉の農村広場から歩くとすると、30〜40分はかかるでしょう。しかも、今回の地震で横倉〜青倉間の村道は崩落箇所があって通
れないので、交通量の多い国道117号線のトンネルの中を10分以上歩かなければなりません。これでは集落という「地域コミュニティの維持」は不可能で
す。
いま、県の職員の方がたくさん栄村に派遣されています。その方々の中の1名でも2名でも結構です。実際に横倉の農村広場から青倉の集落の中まで歩いてみ
て、これで「地域コミュニティの維持」が可能かどうか、判断してみてほしいと思います。仮設住宅への入居を希望している高齢者は毎日、集落の中にある自分
の畑に通いたいと思っている人たちであり、農作業こそ高齢者の生きがい、生きる気力と体力の源なのです。
同じことは、「個人住宅の建替・補修」をめぐる施策についても言えます。ここには、栄村に数多くある伝統工法の家、いいかえれば古民家をどのようにして修復し、守るのかという重要な問題がすっぽり抜け落ちているのです。この点は、次の項で提起したいと思います。
「ふるさと栄村に住み続けられるように」という基本方針が本物になるかどうか、支援メニューの具体的内容にかかっています。
―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール記事



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