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栄村ネットワーク
長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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千曲川のゆったりした流れ、極野、坪野、天地、大久保…

 2〜3頁(上の2つの記事)でご紹介したのは9月7日のご案内のケースですが、8日にご案内したTV制作スタッフは、ご希望にしたがって最初に古道(志久見街道)にご案内しました。
 「わあー、千曲川の流れを撮るのに最高のポイントだ!」。これが制作スタッフの男性が古道を歩き始めて最初に発せられた言葉でした。下の写真のあたりでのことです。


 このスタッフは6日、7日と栄村を廻り、千曲川の流れを紹介する撮影ポイントを探しておられたそうです。「他には、こんなゆったりした流れを撮れるところはないですよ」とのこと。
 古道を進み、千曲川から離れて小峠(ことうげ)に入ります。
 小峠をほぼ上りきる地点にさしかかったとき、もう一人の女性スタッフが「おっ、空がひらけてきた。上りきると、なにか凄い景色が見られそうだね」と口にされました。私は内心、「しめた!」と思いました。手前に千曲川、青倉集落、スキー場、そして関田山脈が一望できる絶景ポイントです。
 「わー、これは凄い!」。お二人ともに感動されました。
 そして、絶景ポイント近くの大きな亀裂や段差がある箇所をお見せした後、迎えの車で滝見線から東部谷の県道へ出て、極野に向かいました。集落の入り口にある「極野」という看板のところで、私は必ずお客さんに「なんと読めますか?」とお尋ねします。たいていの場合、返ってくるお答えは「きょくの」です。「『にての』です」とお教えすると、それだけで極野への関心がぐっと引き出されます。時間が限られていましたので、極野では車からは下りず、集落内の高低差、お宮をご覧いただきました。「お宮が震災で大きく傾き、礎石からずれたが、それが地震のエネルギーを分散させ、お宮は助かり、見事に修復されました」というお話をすると、栄村に多い伝統工法で建てられた家々への関心・興味がぐっと深まります。
 坪野でも車からは下りず、「百番様」のある山の上までご案内し、「この道は昔の野沢街道で、野沢温泉村の上ノ平まで通じています」などの紹介をしました。『村史』で読んだのだと思いますが、ある時、野沢温泉村に行くのに、森宮野原駅から飯山線で向かった人と、野沢街道を歩いて向かった人とがいて、目的地には野沢街道を歩いた人の方が先に着いたという話があります。
 この日ご案内したお二人のうち、女性の方は野沢温泉村出身の人で、この話にすぐに納得されました。
 この後、野口へ出て、天地の開拓畑まで行き、天地のお宅でお茶のみをさせていただきました。突然の訪問にもかかわらず、ご主人が「スイカを切ろうか」と言って、出して下さったのがとても美味しく、お二人も大満足でした。


坪野の「百番様」(野沢街道沿いにあった石仏が集められ祀られている)

 天地を出たあたりで「時間切れ」。大久保集落の全景を眺め、貝廻坂を下って帰路につきました。
お二人の感想は、「これまで栄村の色んな人をご紹介いただいたのですが、消化不良状態でした。今日はぐるっと一周案内していただいて、栄村の全体像がようやく見えてきました」というものでした。
 これに秋山郷のご案内を加えれば、栄村をぐるっと回るのに1日以上かかります。村に来られた方をご案内するとき、いつも迷います。「できるだけ栄村の全体をお見せしたい」と思いつつ、「それでは時間がかかりすぎて、ご希望の特定プログラム(たとえば、「ねこつぐら作りの体験をしたい」)を実現できなくなる」というジレンマに陥(おちい)るのです。
 でも、なんとかやりくりをして、少しでも栄村の全景・全貌をお見せする工夫をします。そこが栄村観光、「むらたび」の一つの勘どころなのではないかと考えています。

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