このコラムでは、日本の生きものを身近に感じていただけるよう、彼らの暮らしを紹介しています。
- 今日はぼく、ニホンモモンガだよ!
ニホンモモンガは、日本の山地の森に暮らす生きものです。
- ニホンモモンガくんは、日本にだけ暮らしている、日本固有種なんだよ。
ニホンモモンガの夏毛と冬毛の色は?
ニホンモモンガの毛の色は、夏は明るめの茶色、冬は灰色になります。
- 夏(茶色)は森の木々、冬(灰色)は雪景色の保護色になっているんだね。
目から下の顔まわり、お腹側の毛は、夏毛・冬毛ともに白色です。
大きさ(頭からシッポの付け根)は約17cm。人間の手のひらほどの大きさです。
ニホンモモンガの指の数は?
ニホンモモンガの指は、前脚が4本、後ろ脚が5本あります。
- 前4本、後5本の組み合わせは、僕たちげっ歯類によく見られるんだよ♪
足の裏は、ピンク色のプニプニの肉球がキュート♪
カカトのまわりには、毛が生えています。
爪は、先端がまがっている「鉤爪(かぎづめ)」。
この鋭い”かぎづめ”を木にひっかけて、スルスルと登っていきます。
- かぎつめは、木で暮らす「樹上性(じゅじょうせい)」の生き物に、ぴったりの爪だんだね。
ニホンモモンガはどんなグループの生き物?
- ぼくは齧歯目!(げっしもく) 硬いものをかじるのが得なグループだよ。
分類学では、それぞれの生き物は
〇〇目 → 〇〇科 → 生きものの名前
という順番で枝分かれをしています。さて、ニホンモモンガは…
げっ歯目(かじる事が得意な生きもののグループ)の→
リス科(リスのグループ)の→
ニホンモモンガ(種の名前)
…という分類になっています。
- げっ歯目の中でも、リスの仲間なんだよ♪
ニホンモモンガの学名の意味と読み方は?
学名とは、ラテン語による生物の分類で、世界共通で使われている呼び名です。
ニホンモモンガの学名はこちら。
「Pteromys momonga」
さて、どんな意味なのでしょう。調べてみました。
Pteromys(プテロミュス)=翼のあるネズミ
momonga(モモンガ) =モモンガ
- 「翼のあるネズミ、モモンガ」という意味なんじゃな。まさにその通りじゃのう。
ニホンモモンガは、滑空することができるよ
- モモンガくんの一番の特徴は、なんと言っても、飛べることだよね。
ニホンモモンガは、飛ぶための皮膜(ひまく)を持っています。
前足・後ろ足をつなぐようについていて、普段は折りたたまれています。
- これをパラシュートみたいに広げて、高い木からジャンプするんだ!
飛ぶ時には、手首からのびる軟骨をグッとのばして、皮膜を大きくひろげます。
この軟骨は「針状(しんじょう)軟骨(なんこつ)」。
たたみを縫うときに使う「畳針」に似ていることから、こうよばれています。
- このしなやかな軟骨を上下に動かして、風をきったり、方向転換するんだ。
ニホンモモンガとムササビの違いは…
ちなみに、同じく滑空するリスの仲間に、ムササビがいます。
ムササビとモモンガの見分け方は、飛んだときの形。
モモンガは、4つの足をつなぐように皮膜がついています。
一方ムササビはさらにシッポの付け根までつながる皮膜を持っています。
このため、飛ぶときの形は…
- モモンガは四角形、ムササビは五角形になるんだよ♪
また、大きさもかなり違います。飛ぶときの大きさは…
- モモンガはハンカチ、ムササビは座布団サイズに、例えられるよ。
- へええ…! リスの仲間といえども、ムササビくんって、かなり大きいんだね。
ニホンモモンガの滑空
滑空とは、「空中を滑り降りるように飛ぶこと」。
- 高い木に登って、枝からジャンプするよ!
夜の暗闇の中、木々の間を舞い降りながら、移動します。
モモンガが飛ぶ距離は普段は20m~30mで、最長で100m飛ぶこともあります。
- 音もなく、ヒラリと軽い身のこなしで闇を舞う姿から、モモンガは「森の忍者」とも呼ばれているのじゃ。
- かっこいい~!
ニホンモモンガの豆知識 まとめ
ニホンモモンガは…
・皮膜を使って滑空するよ!
・齧歯(げっし)目のリス科の生き物。
・先がまがっているカギ爪を持っているよ。
・夏毛は茶色、冬毛は灰色
・モモンガは四角形、ムササビは五角形
- 以上、ニホンモモンガの豆知識でした。
この「生態メモ辞典」のコラムでは、ほかにも、日本の生き物の暮らしを紹介しています。
シリーズをはじめたばかりですので、まだヒヨコのようなコーナーですが、ゆっくり育ててまいります。
\ぼくたちが日本の生き物を解説するよ! ゆっくり見ていってね/