このコラムでは、日本の生きものを身近に感じていただけるよう、彼らの暮らしを紹介しています。
- 今日はぼく、ホンドテンだよ!
ホンドテンは、日本の広葉樹の森や里山に暮らす、イタチの仲間。
- ちなみに「ニホンテン」とも呼ばれてるよ。
日本固有種で、日本の本州・四国・九州に生息しています。
テン(貂)の大きさは?
- テンくんは、どれくらいの大きさなの?
- 体長は約50cm、しっぽは約20cmだよ。
野山のイタチの仲間(イタチ・イイズナ・オコジョ)の中では、比較的大きいのが、テンなのです。
- サイズ感でいうと、猫の大きさをイメージしてもらうと近いよ。
テン(貂)は どんなグループの生き物?
分類学では、それぞれの生き物は
〇〇目 →
〇〇科 →
生きものの名前
という順番で枝分かれをしています。さて、ホンドテンは…?
食肉目 (狩りをするグループ)の→
イタチ科 (イタチのグループ)の→
ニホンテン (種の名前)
…という分類になっています。
- 大きく分類すると、ネコ目(食肉目)の仲間なの。
ホンドテンの学名の意味と読み方は?
ホンドテンの学名はこちら。
- 「Martes melampus melampus」っていうんだ。
どんな由来なのでしょう。ラテン語の意味を調べてみました。
Martes =(マルテース) テン属の
melampus =(メランプス) 予言者、医師
melampus =(メランプス) 予言者、医師
「テンの仲間で、預言者・医師」という意味合いがあるようです。
- メランプスには、”動物の言葉と知恵を理解する”という意味もあるようじゃ。
「メランプス」がニホンテンの学名となった由来までは辿り着けませんでしたが、テンの仲間で、知性ある生き物、というニュアンスを感じます。
テンの仲間 (イタチ科の動物)
- 他にイタチ科の生き物は、どんな子がいるの?
ニホンテンと姿形が似ている所でいうと、エゾクロテン・イタチ・イイズナ・オコジョ。
ほかアナグマ、ラッコ、絶滅したといわれるニホンカワウソも、日本のイタチの仲間だよ。
- ラッコも、テンくん達のイタチの仲間なんだね!知らなかったよ!
テン(貂)の前足・後ろ足の指は5本
テン(ホンドテン)の指は、前足・後ろ足ともに5本。
雪の上の足跡には、5つの肉球とともに、爪の跡も残ります。
キテン(黄貂)と、スステン(煤貂)
テンは個体によって、冬毛の色が異なります。
冬になると、黄色くなるのが「キテン(黄貂)」
冬でも褐色なのタイプは「スステン(煤貂)」と呼ばれています。
見た目でこのように呼び分けられていますが、種の分類上はどちらも同じ「ニホンテン」です。
スステンは、紀伊半島や、四国に多く生息していると言われています。
テン(貂)が黄色くなるのは冬毛とされていますが、東北には1年中黄色い貂も生息しているようです。
※参考『フィールドベスト図鑑12 日本の哺乳類』学習研修社 P140 ”キテンとスステン”
テン(キテン)の体の色・模様
- テン君の体の模様について教えて!
- 僕たち、キテンは、からだ全体が黄色。しっぽの先と、顔の周りが白いんだ。
顔の毛の色や模様も、キテンとスステンでは異なります。
キテンは、全身が茶褐色~明るい黄褐色、顔は白くなります。
また、冬毛という事もあり、全体的にモフモフとまるっこいイメージです。
耳も、もふもふの毛皮にうもれて、まるっこく見えます。
一方、スステンはスリムな印象。
全身が茶褐色で、喉のまわりはオレンジ色をしています。
テン(貂)は 木登りが得意。
- テンくんって、とっても身軽だよね。
- イタチ科の仲間の中で、いちばん樹の上で活動をするのが、ぼくたちなんだ。
テンは木登りが得意。
とても身軽で、体長はネコと同じほどありますが、体重は約1/3ほど。
木から木へと飛び移って移動し、木の上でニホンリスやムササビ、鳥のヒナ等を狙って狩りをします。
木登りが得意だからキテン(木貂)?
黄色い毛のテンは「キテン」と呼ばれていますが、木で活動するテンだから「木貂(キテン)」と呼ばれている」という説もあるそうです。
- いろんな説があるんだねぇ! 木貂、なるほどなぁ。
- えへへ、木登りが得意だからね♪
テン(貂)の豆知識 まとめ
【ホンドテンとは?】
・野山のイタチの仲間では比較的大きい。
・食肉目のイタチ科のグループ。狩りをする動物。
・個体によって、毛の色が違う
・黄色いキテンと、褐色のスステンがいる。
・木登りが得意。樹上でも狩りをするよ。
- 以上、ホンドテン(ニホンテン)の豆知識でした。
この日本の生き物・豆知識」のシリーズでは、ほかにも、生きもの達の暮らしを紹介しています。
- このシリーズへ込めた想いはコチラにまとめましたので、よかったら御覧ください。
これからも、のんびり のんびり、いろんな生き物を紹介してまいります。
- どうぞ、気になる生き物がいたら、楽しんでいってくださいね♪
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