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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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坪野集落に見る豪雪

 さて、1日、TV局取材の案内で午前、午後の2回、坪野を訪れました。その際は写真を撮っている余裕がなかったので、4日午前、改めて坪野に豪雪=雪害の状況を確認しに行ってきました。
 除雪作業をしておられた斉藤秀男さんにお話を聞くことができました。
 「18豪雪よりも多い。目盛をつけた木の棒で積雪量を測っているが、一晩で90cmもあった」とのこと。

秀男さん手製の積雪計
秀男さんの手製積雪計(前頁写真)は目盛が80cmまでしかうたれていません。平素はそれで十分なのです。90cmという積雪がいかに凄いものかわかります。


 作業所の屋根から落ちた雪を排雪できるよう、その手前の雪をロータリーで飛ばす秀男さん(写真中央)。


 上の写真の右手に見える小屋の屋根から落とした雪を道路上にダンプで落とす秀男さんの奥さん。秀男さんは80歳を超えておられ、奥さんは79歳です。

 秀雄さんと話していて、ふと前方に目をやった時に見えた光景。

隣の安五郎さんが作業所の屋根の雪を掘っているところですが、まるで雪の山の上での作業です。

 坪野は山と山の間の斜面地にできた集落。それで、上の写真のような積雪状況になるのですが、もう1枚、ご覧ください。秀雄さんの家と作業所の間から山の方を見上げた様子です。

 上の方に見える家は、曲がりくねった坂道をかなり上がって行った先の家だと思われます。


● 「『困ったことがあれば電話しろ』と言われていたので、電話したんだが…」
 秀雄さんのお宅の次に、Nさんのお家を訪ねました。
 ところが、お訪ねしてすぐに、とても切ないお話を聞きました。
 まず、つぎの写真をご覧ください。

 Nさん宅の作業所です。1日に訪れた時、屋根には2m以上の雪があって(写真で作業所の右横に見える小屋の屋根のような状況)、「なかなか落ちてくれない」と困っておられました。3日、天候がよかったこともあって、ようやく落ちてくれたそうです。
 しかし、建物の周りの積雪も凄いので、雪がつかえてしまい、地上の雪と屋根の雪がつながったそうです。そういう場合、下手に下の雪を除けると、屋根の雪がいっきに落ちてきて、除雪している人が落下してきた雪の下敷きになってしまいます。
 そこで、Nさんは役場に電話し、「ブルで雪をおしていただけないか」とお願いしたそうです。しかし、役場の返答は「出来ない」という、つれないもの。さらに、その後、Nさんの家の一歩手前のところまで、道路除雪のブルが2台来たので、「やってもらえないか」と尋ねてみたものの、「ダメ」との返事。現場の人の判断ではなく、役場の判断のようだったとのこと。
 奥さんは言われます。「『困ったことがあれば電話しろ』と役場に言われていたので、とうちゃんがお願いの電話をしたのに……。とうちゃんは81歳、私は79歳だけど、元気なので雪害対策救助員はお願いせずに頑張っている。本当に困ったのでお願いしたのに……」。
 なんとも切ない話です。

 私は昨年の地震直後からレポートを書き続け、ときには行政に厳しいことも書いてきました。最近は、私の個人的レポートというよりも、村のみなさんにお読みいただく新聞のような感じになってきていますので、気持ちの問題として、行政批判は書きにくいという思いがあります。
 でも、今回のケースは書かざるをえません。
 豪雪対策本部も設置されたので、困っているみなさんは「何とかしてもらえるのではないか」と期待しておられます。役場も人手が足らないなどの事情はあるでしょうが、震災の被害も大きく、高齢者世帯がほとんどの坪野集落からSOSの声が来たら、せめて職員が現場を見に行くというくらいの対応ができないものでしょうか。そうでないと、雪害対策救助員制度など、全国の類例のない雪害対策をとっていることで全国に知られる栄村の名が泣くと思うのですが。いかがでしょうか。


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