豪雪地の被災地
- 豪雪地域での復興
- 2012.01.18 Wednesday
2mを超える雪に覆われる小滝の被災田んぼ
さて、いまさらと思われるかもしれませんが、中見出しに書いた〈豪雪地の被災地〉という問題を、冬を迎える前からもっとクローズアップすべきであったと、最近、反省しています。
一昨日、ある人からいただいたメールにつぎのように書かれていました。
近年になく冬らしい連日の乾燥と晴天を見ては、これは日本海側は連日の大雪だろうといつも思うのすが、震災後の栄村がどういう状況にあるのかはほとんど知り得ないのです。
ライブカメラは時折見ていますし、役場HPの積雪情報、秋山郷観光協会で平日に更新される写真入りブログも見てはいますが、具体的に秋山地区でない地域がどのような状況なのか、とくに今回初めての冬を迎える仮設住宅がどのような状況なのかは、全く知り得ません。
この方は栄村支援のために頻繁に村を訪れて下さっている人ですが、そういう方でも栄村の冬の豪雪の具体的な様子というものはなかなか分かりづらいものなのです。この方はそういう中で私のレポートが役立つと言ってくださっているのですが、栄村、とくに冬の栄村を一度も訪れたことがない人に、大震災被災の中で豪雪の冬を迎えることがどんなことなのかをご理解いただくためにもっと、もっと、〈豪雪地の被災地〉ということを強調して的確な情報を発信すべきであったと思うのです。
そこで、今日はこの間のレポートで未紹介の写真を紹介し、〈豪雪の被災地〉の様子をお知らせしたいと思います。

この写真は17日夕刻近くに、村道月岡小滝線で撮影したものです(手前が小滝です)。
村の人にとっては、格別変わった様子ではないと思いますが、2車線道路の片側が雪崩れてきた雪で覆われています。
これくらいの量があると、車はこの雪崩れてきた雪を回避し、反対車線に出ることが必要です。こういう雪崩がカーブの所で起こっている可能性もあります。そうすると、咄嗟にハンドルを切らなければなりませんが、反対車線に車が来ていると、大変なことになります。ですから、冬のカーブ道は慎重に運転することが求められます。
ところで、上の写真の雪崩ですが、歩いて雪崩地点を越えて、向こう側から観察してみて少々びっくりしました。凄く大きな雪の塊がいくつもまだ不安定にぶらさがっている状態なのです。その様子をご覧ください。

ちなみに、このあたりは地震の3月12日当日、雪崩で道が塞がったところです。小滝集落の人たちはそのため、避難所に指定された北信小学校に陸路では迎えず、京都市消防局のヘリコプターで搬送されました。
これから本格化する復興への取り組みにおいては、こういうことをふまえて、災害時などに集落間の行き来を確保できる道路ネットワークをどのように確保するかが1つの重要課題となります。
道路の雪について紹介しましたので、それに関連する写真をもう少し示します。

冬の道路の両側にはご覧のように〈雪の壁〉が作られています。タイヤドーザーと呼ばれる除雪車が道路の雪を押し出した後、ロータリー車がやって来て、タイヤドーザーが道路の端に押しのけた雪を飛ばしながら、この雪の壁をつくっていきます。
〈雪の壁〉が2mにも達するような降雪・積雪はむらで暮らす者にとって非常に厄介なものですが、〈雪の壁〉自体は観光資源にもなりうる、なかなか綺麗なものです。現に立山などでは5月頃に「雪の壁の道を通る」ということが観光の大きな目玉商品になっています。
それはさておき、〈雪の壁〉がところどころ、上の写真のように崩されている箇所があります。これは道路から除いた雪を崖下などに押し出すための場所なのです。その様子もご覧ください。

これは上の写真で雪の壁が崩されている所の先端部分を撮影したものです。見える川は千曲川です。このあたりは道路の下は千曲川にむかって崖になっているのです。私はこの写真を撮るとき、この先端のところまで一歩、一歩、雪がしっかりと締まっていることを確認しながら行きましたが、雪がない時ならば崖の斜面になっているところです。そこに排雪がどんどん積み重ねられ、非常にしっかりした足場が出来ているわけです。

もう1枚。先の雪崩地点の近くから、千曲川の対岸を撮影したものです。仮設住宅が見えます。
写真中央などに雪面が茶色くなっているところがあります。これは、仮設住宅での除雪の後、雪をブルで崖下へ押したもの、あるいはロータリーで飛ばしたものです。
今度は、住宅です。紹介する写真は、大雪が続いていた週の最中(さなか)の12日、晴れ間が見えた昼頃に横倉集落の渡辺利正さんのお宅で撮影させていただいたものです。
渡辺さんのお家は、国道117号線を青倉方面から来て、青倉トンネルを抜けたところで左に入り、横倉に向かう村道からさらに左斜めに入ってところにあります。

道路右手のお家が渡辺さん宅
お家の裏手は、横倉に向かう村道が走っていて、さらにその上方には国道117号線の横倉トンネルの入り口が見えます。この撮影時のように晴れていると、じつに素晴らし景色のところなのですが(下写真)、〈雪とのたたかい〉という観点からみると、渡辺さん宅の除雪作業は相当に大変です。

渡辺さん宅の裏手を見る
そこで、渡辺さん宅では、“たね”(雪を融かす池)を3つも確保されています。いずれも横倉沢川から引いてきている水を使われています。

たね1
上の「たね1」の写真に見られるように高い位置から水を落とすようになっています。こうすると、水が池に落ちるときに波ができるというか、水がごそごそと動くため、水が雪のかたまりと触れる表面積が多くなり、融けやすくなるのです。知恵ですね。

たね2
上の写真は家の真裏にある「たね2」を撮影したもの。手前は「たね1」に入れる水のパイプです。さらに「たね1」とは家を挟んで反対側にある「たね3」の写真を示します。

たね3
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、写真正面の壁の下が「たね」になっています。
それにしても、「たね」を紹介した3枚の写真で見ると、大雪の週であったにもかかわらず、渡辺さん宅の周囲はきれいに雪が片づけられています。晴れ間をぬって、いや、次々と降る時は雪が降る中でも、懸命に除雪作業をやって、雪を片づけておられるのです。
つぎの写真は道路を挟んで渡辺さん宅の向かい側の様子です。

雪がない時は田んぼか畑のところです。
渡辺さんに、「向かい側の雪を押してあるのは、道路除雪隊が押し出したものですか?」と尋ねると、「いや、昨日、おらが機械で押したんさ」とのお答え。ブルなどの重機を操作できる人はそういう作業もやられるのです。
最後に、その渡辺さんをご紹介しましょう。「トマトの国」の温泉仲間として知り合った人です。




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