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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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“むら丸ごと資源”で復興と発展を




 2枚の写真を紹介します。ご覧になっていかがですか? 
 むらの人でも、この写真を見て、何処なのかがすぐにわかる人は少ないと思います。1枚目は大久保集落で撮影したもの、2枚目は今泉の「ふるさとの家」の裏手の様子です。
 そして、これが“資源”だと思われる人はどれくらいおられるでしょうか? むらで暮らす人は、「何処なのかはわからなかったが、よく見慣れた景色で、とくに珍しくもない」と思われるかもしれません。でも、都会で暮らす人たちがご覧になれば、「まぁー、きれいなところ。いいなあー」と思われる人が多いことと思います。


●袖沢の家尻
 1枚目の写真の場所は、地元では「袖沢(そでさわ)の家(いえ)尻(しり)」と呼ばれているところです。大久保集落の真ん中の道を奥にむかってどんどん入り、右手に最後の2軒の家が見えるところで右に入っていくと「袖沢」という沢にかなり広い谷地田が広がっています。そのいちばん先まで行くと、写真の場所が見えます。
 いまは田んぼが一面黄金色に輝く季節ですので特に綺麗だということもありますが、田んぼが青々とした稲におおわれている時期もまた、きっと素敵だと思います。


袖沢の入り口に見える家

 大久保集落に入って、道の左右に見えるさまざまなお家の姿を眺めながらゆっくり歩き、袖沢に入ってからは道端に咲く野花などにも時々目をやりながら進むと、1頁の写真の田んぼに着くまで、1時間程度の散策を楽しむことができます。


●水に親しむ
 暖かな日であれば、少し汗ばむほどの適度の運動になります。すると、「家尻」には小さな川が流れています。その水に触れてみれば、きっと気持ちいいでしょう。(その小さな川はいまは草に覆われていますので、草刈りが必要ですが。)

 先日、京都の若者を小滝の樋口利行さんが古道の志久見街道に案内したとき、こんなことがありました。大免沢川に出会ったとき、利行さんが「川の水に手を浸(つ)けると気持ちいいぞ」と声をかけると、若者たちはすぐには反応せず、利行さんに促されて恐る恐る手を浸けたそうです。ところが、古道を絶景ポイントと呼ばれるところまで歩き、もう一度同じ道を戻ってくるとき、大免沢川に出会うと、今度は利行さんに言われるまでもなく、みんながすすんで川の水に手を浸けたり、顔を洗ったりして、涼(りょう)をとったというのです。


大免沢川の清らかな流れ 
   
  
 若者たちは山の水の気持ちよさを覚えたのですね。むらを巡ると、都会で暮らす大人が忘れてしまい、若者たちが知らない“田舎のよさ”を人びとを体感で知り、栄村が大好きになっていくのです。


●見る角度が変われば
 話を袖沢の家尻に戻しましょう。
 「家尻」は名前のとおり「尻」で行き止まりです(沢下りのようなことをするならば進めるでしょうが)。来た道を戻ることになります。でも、この戻り道がまた、いいのです。同じ道だということで飽(あ)きることはありません。
 

●そして、お茶のみ
 集落に戻ると、こんな光景が目に飛び込んできました。お家(うち)の前にお年寄りが使う電動車が2台とまっています。「これはお茶のみだな」と思って、後から尋ねてみると、やっぱりそうでした。

 そんなお茶のみに加えてもらうことができれば、むらを訪れた旅人はどんなに嬉しいことでしょう!
 もちろん、突然、見知らぬ人に訪ねて来られても困りますが、そこにむら人のガイドが一枚かんでいれば、そんなことも可能でしょう。
 いまから2年前、「にほんの里100選」の選考委員が大久保の阿部マスミさんのお家を訪れ、お茶のみで出していただいたワラビの美味しさに感動、すっかり栄村に魅せられ、それからもう10回以上もむらを訪れられています。震災後だけでも4〜5回、むらに来ておられます。復興支援の山菜販売にもご協力いただきました。


●素敵な“資源”がいっぱい
 ここまで大久保集落の話になりましたが、1頁目で紹介した今泉もまた素敵なところです。そして、いろんな見どころがあります。1頁目の写真は「石積みの様子がいいなあ」と思って撮ったものですが、こんな風景もあります。
 

 今泉にお住まいの杉浦さん(千葉県から移住)もお薦(すす)めの景色のひとつです。
 今泉でも1〜2時間の散策は最高に素晴らしいでしょう。杉浦さんのお宅(「ふるさとの家」)にはよく週末に千葉の元同僚の人たちが訪れられるそうです。
 
 “むらは丸ごと資源”、これを合言葉に栄村の宝をどんどん発掘し、“むらたび”で復興を実現していきたいですね。

畑で育てた赤のパプリカを手にする杉浦さん


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