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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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農地復旧を同時に農地整備としてやりたいのだが・・・

 14日夜、青倉で木村和弘先生をお招きして、農地復興についての勉強会が行われました。その詳細は改めてお知らせしたいと思いますが、その場で出された1つの重要な問題提起、要望について報告します。
  まず、つぎの写真をご覧ください。


 これは青倉の四ッ廻り地区でAさんが耕作している2枚の田んぼを撮影したものです。いずれも地震被害をうけ、今年は作付ができず、国による災害復旧事業をまっているところです。
 それぞれ4アールと2〜3アール程度の小さな田んぼですが、両者の間には約60cm程度と思われる段差があります。
 Aさんは、「せっかく復旧工事をするなら、この際、2枚の田の段差をなくし、1枚の田んぼにできれば、作業もしやすくなるので、是非そうしたい」という希望をもっています。

 じつにもっともな希望で、山間地農業のこれからの持続可能性を考えれば、Aさんが希望するまでもなく、そのように改良することがベストであることはあきらかです。田直しの名人オペレーター・高橋健さんに伺うと、2枚の田んぼの高さを揃える田直しにかかる経費はほんのわずかだといいます。そして、Aさんはその費用は自己負担するつもりです。

 このように説明すると、このレポートをお読みのみなさんは、「なるほど、なるほど。それはいいことだ。そうするのがいい」ときっと思われるでしょう。
 ところが、国はこの田直しを認めないのです。なぜなら、「復旧は原形復旧でなければならない」とされているからです。まったく馬鹿げていると思われませんか。

 Aさんは、「『国費の無駄遣い』とよく言われるが、国が自分で無駄遣いをすすめているんじゃないか」と憤りも露わに言っておられます。
 国(農水省)の農地復旧の担当者にはこの際、是非、考えてもらいたいと思います。

 今回の震災農地復旧では何億円というおカネが使われるでしょう。それを日本の農業の効率性を高め、持続可能性を高めるために有効に使うべきではないでしょうか。農地の復旧とAさんが望むような田直しを同時にやったとして、何の不都合があるのでしょうか。しかも、田直し分の費用は自己負担するとAさんは言っていて、不正利益を得ようというのではまったくないのです。

 今回の大震災は、近代あるいは高度経済成長以降の日本の社会の歪み、欠点が暴かれた災害です。単に元の形に戻したのでは災害の予防もできません。復旧は同時にこれまでのあり方を変える要素を持っていなければ意味がないのです。

 間もなく、農地復旧事業の査定が行われますが、国の再考を強く求めたいと思います。

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