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長野県栄村で活動するNPO法人です。被害や復興の状況を、理事である松尾真のレポートを元に更新していきます。

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むららしい復旧作業の姿

 午前中、青倉集落を廻りました。あちこちで、「むららしいな」と思う光景を見ました。


 上の写真は「中村」と呼ばれる地区(青倉集落の第2常会)でのものです。どこが“むららしい”のか。写真中央で煙草をくわえている人が後ろに写っている家の主なのですが、その周りの人たちの顔ぶれを見ると、義兄弟、家の近所の人等々が一堂に会して復旧活動に精を出し、また、その合間にこうしてお茶のみをしているのです。

 この人のつながり、助け合い、そしてお茶のみ。そこに、これからの復興の源となる力の存在を見ることができます。

 もう1つの光景は、Kさんの家を訪れた時のものです。ご両親の家とKさんの家が並んでいるのですが、両方とも住めない状態で、ご両親は長野にいるKさんの妹さんの家へ、Kさんの奥さんと3人のお子さんは奥さんの実家に避難されています。ところが、この日は日曜日とあって、ご両親、Kさん一家5人、妹さんご夫婦、お姉さん、お母さんの兄弟で極野集落に住む方、私が確認しただけでも11人もの家族・親戚が集まって家の片付けに精を出されているのです。

 10時ころに一度顔を出したのですが、お渡しする「お知らせ」があったので、もう一度、お昼すぎに立ち寄ると、みなさんが庭先に円座をくまれて、昼食の真っ最中(残念ながら、このときカメラを持っていませんでした)。お母さんが早速“ぜんまい”の煮物を「美味しいよ」と言って差し出されました。お母さんが昨春、山で採って保存されていたゼンマイです。お母さんの言によれば、「地震の後、保存していたものをなんとか取り出したものを煮た」とのこと。じつに貴重な、そして思いのこもった食べ物です。味付けも最高。さらに、極野で用意されたというお結びもいただきました。

 お母さんからは、一刻も早く落ち着ける仮設住宅を用意してほしいという切実な訴えも聞きました。
 
茅葺きの針、養蚕の道具……
 そのKさんの家でのこと。Kさんに、「これ、何だか、わかるかい?」とあるものを見せられました(下の写真)。


 先が尖っているので、川魚を突く道具のようなものかと思ったのですが、不正解。茅葺きの時に使う針だそうです。
 また、「2階が落ちてしまっているんだよ。中を見てくれ」と言われ、家の中を見たり、写真を撮ったりしていると、「ほら、あそこにあるのがお蚕さんの道具だよ」と教えられました。下の写真です。


 いずれのものも、「これは貴重な品。是非、とっておいて下さい」とお願いすると、Kさんは快く了解してくださいました。

 村の教育委員会でも歴史史料となる文書などを片付けの中で廃棄してしまわないよう、呼びかけています。古いお家は家自体が貴重なものであると同時に、その家の奥深くに仕舞われたものの中に貴重な民俗文化の資料となるものがたくさんあることを目の当たりにした今日でした。

―栄村ネットワーク関係者 現地からのメール