このコラムでは、日本の生きものを身近に感じていただけるよう、彼らの暮らしを紹介しています。
- 今日はぼく、アカネズミだよ!
アカネズミは日本の山や森、田んぼのあぜ道、里山(民家の近く)、草原、川辺に暮らす、ネズミの仲間です。
- 日本にだけ暮らしている、日本固有種(こゆうしゅ)なんだ
アカネズミは夜行性
- アカネズミくんはいつ活動するの? ぼくは夜!
- ぼくも夜!明るいうちは、敵に狙われるかもしれないもんね。
エサを見つけると、岩陰などの狭くて暗い場所に運んでから食べます。
- そのほうが落ち着くんだよ~。暗い所はホッとするよね。
アカネズミはどんなグループの生き物?
- ぼくは齧歯目!(げっしもく) かじるのが得意なグループなんだ。
分類学では、それぞれの生き物は
〇〇目 → 〇〇科 → 生きものの名前
という順番で枝分かれをしています。
げっし目(ものをかじるのが得意なグループ)の→
ネズミ科(ネズミのグループ)の→
アカネズミ(種の名前)
…という分類だよ。
アカネズミの学名の意味と読み方は?
学名とは、ラテン語による生物の分類で、世界共通で使っています。
学名(ラテン語)のアカネズミの表記はこちら。
Apodemus(アポデムス)=アカネズミ属
speciosus(スペキオスス) =美しい, 華やかな
- フフッ♪嬉しいな!美しいアカネズミ、という意味なんだね♪
- ちなみに、他にネズミ科の生き物は、どんな子がいるの?
日本の野生のネズミは、たくさんの種類がいます。カヤネズミ・ヒメネズミ・ハタネズミ・スミスネズミ…。
- あ、ちなみに、僕はネズミ科じゃなくて、ヤマネ科だよ。
アカネズミの子供は、黒っぽい色をしているよ。
アカネズミは、その名の通り、赤みがかった茶色の毛色のネズミです。
毛の色は、1年を通して赤茶色。
夏は少し明るめのオレンジ色ぽくなり、冬は暗めのこげ茶ぽい色に。
あと、若いアカネズミは、黒っぽい色をしていますよ。
- ほうほう…毛の色が、子供か大人か見分ける手がかりになるんじゃな。
アカネズミは、どんぐりや木の実が大好き
アカネズミは、どんぐりが大好きなネズミ。
秋になるとドングリをたくさん集めます。
オニグルミ、クヌギ、シイ…
- 中でもブナの実が大好き!脂分が豊富でおいしいんだよ~♪
ブナの実が豊作の年は、越冬できる生き物の数が増えると言われています。
ただしブナの実は、豊作・凶作の年の差が大きく、毎年たっぷり食べれるわけではありません。
- ちなみに、それ以外の季節は、植物のたねや、根っこ、昆虫を食べてるよ♪
オニグルミに穴が空いてたら…
オニグルミの実に、穴が空いているのを見つけたら、そこはアカネズミが暮らしている場所かもしれません。
こういった、生き物がエサを食べた跡を、食痕(しょっこん)と呼びます。
ちなみに、同じオニグルミの実でも、まっぷたつの場合は、ニホンリスの食べ跡。
- ガリッとまっぷたつだぜ!
粉々だと、ツキノワグマの食べ跡かもしれないよ。
- そっか~!食痕(しょっこん)は、どんな生き物が暮らしているかの、手がかりになるんだね。
冬にそなえてドングリを土に埋めるよ。
アカネズミは、食べ物の少なくなる冬にそなえて、秋の間に、ドングリを土に埋める習性があります。
- でも、念の為に色んなトコに隠すから、どこに埋めたか忘れちゃうんだよね…。
- あるある!わかるわ~
そして、あちこちで食べ忘れた種は、次の春に芽を出し、また新たな木に成長していきます。
ドングリの木とアカネズミは、共生関係
アカネズミは小さな生きものですが、その行動範囲はとっても広く、じつによく動き回ります。
- ぼくたち、後ろ足の筋肉が発達していて、1日で数kmも移動するんだよ。
ドングリの木は、おいしい実を作ることで、遠い場所に種をまいてもらっているようです。
こうして、ドングリを貯食するネズミやリスは、森作りのお手伝いをしているのです。
- いっぱい運ぶから、今年もおいしいドングリいっぱい作ってね~♪
アカネズミの豆知識 まとめ
アカネズミは…
・夜の間に活動するよ。
・齧歯目のネズミ科のグループ。かじるのが得意!
・こどものアカネズミは、黒っぽい色をしているよ。
・オニグルミの食痕は、穴が目印。
・ドングリを土に埋める習性があるよ
・ドングリの木とアカネズミは共生関係
- 以上、アカネズミの豆知識でした♪
この「生態メモ辞典」のシリーズでは、ほかにも、日本の生き物の暮らしを紹介しています。
このシリーズへ込めた想い・きっかけはコチラにまとめました。
- どうぞ、よかったら御覧ください。
これからも、のんびりゆっくり、いろんな生き物を紹介してまいります。
- どうぞ、気になる生き物がいたら、楽しんでいってくださいね♪
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