絵の資料調べ・リサーチって?

ニホンテンのイラスト marten illust

 

 

絵の依頼をした時、なかなかイラストが上がってこなくて困ることありますよね。

 

実はこれ、リサーチに時間が掛かっているのが理由の1つ。

 

今日は、絵のおしごとの舞台裏「絵の資料あつめ」の工程をご紹介します。

 

絵のご依頼やお仕事に、是非お役立て下さい。

  

  

資料調べ・リサーチって?【絵の仕事】

シマリスのイラスト 絵本 親子のしまりす リスの絵  Chipmunk illust Picture book cut

リアルな絵を依頼した時、イラストレーターがまずはじめること。

 

それは入念な資料探しです。

 

特にこんな絵をご依頼の場合…

  • リアル・細密な描写
  • 正確さを求める絵
  • 特定の商品・場所・楽器

WEBの画像検索、図鑑の写真はもちろん、YouTubeなど映像で見たり、文献から構造を読み解いたりもします。

 

時には絵を描くのと同じくらい時間がかかる工程が、リサーチ(調べ物)なんです。

 

そもそもリアルな絵をモチーフに正確に、資料なしで描くのは不可能に近いです。

 

一方で、資料のとおりにそのまま描いても、著作権の問題が発生します。

 

これが正確性を求められるイラストレーションの難しい所。

 

参考にしつつも、トレースにならないよう頭のなかで構図や角度をかえて描写していきます。

 

写真にない部分がどうなっているのか、理解していないと描けないんですね。

 

 

 

 

「描ける」とは「解っている」こと

主に参考にする写真を1~2枚選んだらこれを手がかりに、脳内で細かくシュミレーションしていきます。

 

「斜め下から見た時に、一体どんな色や形や構造になっているのか?」

 

頭のなかで3Dの状態にしてクルクルクル…。

 

動物なら「ここから3秒後、どんな動きをしているか。」

 

仕草、指の動き、表情、しっぽの角度、曲がり具合…。

 

絵の表現では「描ける」ということは「わかっている」と同義語なのかもしれません。

 

エゾシマリスのイラスト しまりすの挿絵 りすのカット絵 Chipmunk illust
わからないものは、描けない…!

 

エゾシマリスのイラスト しまりすの挿絵 りすのカット絵 Chipmunk illust
うーん、描けないという事は、まだまだ わかってないんだ…!

 

絵のお仕事の中でも、ここは難易度の高い工程です

 

質感・動き・色・影の付き方。

 

文献・図鑑・映像を手がかりに、創造力を働かせて予測し、表現力と知識力を駆使して正確に描写していきます。

 

 

 

 

 

絵の参考にできる資料がある場合

その点「このとおりに描いてOKだよ」という資料がある場合

 

非常に早く描き進めることが出来ます。

 

ババーッと見たままにデッサンしていくので、スピーディ。

 

私の場合だと、参考にしてOK資料があれば、デッサン(形を取る描写)にかかる時間はおよそ1/5くらいに短縮できます。

 

大量の資料探しの時間も省略できることを考えると、数日レベルで納期を短縮することも可能です。

 

写真にない部分の構造を理解し、頭で再構成しながら描写…

 

この一番時間と労力のかかる工程をショートカットできます。

 

また、資料を提供すると納期が短くなるほかに、こんなメリットもあるんです。

 

それは、絵の描写がより忠実で正確になること。

  

  

  

 

資料があるとイラストの描写が正確になる

 

特に「観光名所など特定のスポット」「動物の生態画」「特定の楽器」…

 

リアルな描写が必要な場合は、嬉しい効果かと思います。

 

図鑑やWEBの画像検索で出てきた写真なども参考にしますが、そのまま描くと著作権の問題が出てきます。

 

このため、資料元にバッチリ似てしまわないように、あえて色んな箇所を変えて描く必要があります。

 

ここで難しい問題が1つ。

 

あえて変えた箇所が、「間違い」であってはいけない所。

 

モチーフごとの個体差としてフェイクをいれていい箇所か?

 

モチーフを構成する本質の部分で、そのまま描写しなければならない箇所か?

 

 

  

 

 

リアルに描くには、知識が必要

テンとアナグマ 本屋さんのイラスト お仕事の絵

  

この判断は、その分野の専門家レベルの知識が必要なことも多いです。

 

例えば動物なら、

 

・耳の形

・毛の色

・しっぽの長さ

・指の仕草

・物をつかむ時の手の形

 

…などなど、

 

1匹ずつ個体によって少しずつ違う部分もあれば、その種を表現するときに守らればいけない特長もあります。

 

特にリアルで細密なイラストのご依頼は、その分野の専門家の方から頂く事が多いです。

 

プロから見たら「○○はこんなふうにならない」とご指摘を頂いたりすることも、よくあります。

 

「あえてフェイクをいれる」というのも、さじ加減が難しいポイントです。

 

自社の製品、自分で撮った動物、地元のスポット…

 

そのまま描いてOKという資料がある場合は、著作権に配慮してフェイクをいれなくていので、より正確に描写が可能になります。

 

   

 

 

  

資料や打ち合わせでイラストの納期は短縮できる

特にリアルなイラストをご依頼の場合、リサーチの工程は納期を左右する鍵になります。

 

むやみに調査に時間を費やす、間違ったことを描く、描き直す…

 

このよう絵の制作のフワフワした時間を、まとめてカットする事が出来ます。

 

モチーフの資料をご用意いただけると、絵の制作のパフォーマンスはグッと上がります。

 

 

お客様はプロ。絵で表現したいモノをドンドン絵描きに伝えて下さい

また、描く上で押さえるポイントや、モチーフの基礎知識も打ち合わせの時に、教えていただけると、さらに嬉しいです。

 

モチーフについて、イラストレーター以上によくわかっているのは、ご依頼主のお客様。

お客様は、その道のプロです。

 

私の方も時には依頼主さまを質問攻めにする事もあります。

 

イラストレーターは、お客様の分野については基本的にマッサラの、素人だと思って下さい。

 

「ここがポイント!」「こんな性格だよ」「これ、最近撮った○○だよ」

 

何気ない一言が、アイデアを生むきっかけになることも、たくさんあります。結構あるんです。

 

リアルな絵をご依頼の方、
納期を短めでイラストをあげたい方、
楽しいアイデアあふれる絵をご希望の方、
是非お試しください。

 

 

あわせてどうぞ【イラストご依頼 お役立ちコラム】

【絵の依頼】イラストレーターへの伝え方のコツ

 

 

 

 

 

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日本の小さな生きものイラスト作家 いぬいさえこ
日本の小さな生きものイラスト作家 いぬいさえこ
小さな生きもの達の、小さな物語を描いています。

大学では環境問題を中心に社会学を専攻。

環境・教育・まちづくりのポスターなど、社会問題×アート表現のお仕事に10年以上携わってきました。

【グラフィックデザイナー時代のポスター・リーフレットのお仕事】
東京大学 日本学術会議 大阪市 堺市 大阪府警察 etc...

「心」を出発点に、世の中の問題を考えるのがすきです。

子供の頃からいろんな事が気になったり、考えたりしてしまう内向的な性格。

たくさん悩んでしまう分、繊細な人のこころに、絵でそっと寄り添えたら…と思ってます。