心に響く防犯ポスターを考える

ニホンヤマネ 鉛筆のイラスト えんぴつ ヤマネのイラスト  ヤマネの絵 書いている挿絵 dormouse illust  Picture book

よいポスターとは、どんなポスターでしょうか。

 

キレイなポスター、

ドキッとするポスター、

印象に残るポスター、

…いろいろありますよね。

 

私は、見た人の行動を変えるポスターだと、考えています。


そんなポスター作れるよう、大切にしてきた事が、3つ。 

①それならできそう
②自分のことだ
③こんな風になったら素敵だな。

 

今日は、「行動を変える」防犯ポスター作りについて、お話したいなと思います。

 

 

 

ポスターのゴールは、行動にある

シマリスの親子と天球儀のイラスト Chipmunk& Heavenly ballそもそも、デザインのゴールは知ってもらうことではなく、その先の行動にあるんだと、私は考えています。

 

防犯ポスターなら、見た人が防犯のための行動すること。

 

企業の広告や商品パッケージなら、お客様が購入すること…。

 

「行動してもらうこと」

 

これはすべてのデザインに共通して言えることかもしれません。

 

 

サイズを、小さくする

だからこそ、提案する行動は、サイズ感がとても大切。

 

ネズミのイラスト
それならできそうだ♪

そう思えるサイズまで小さくして、届けるようにしています。

 

これが、大切なことの1つ目、「それならできそう」です。

 

ちなみに、私がなぜこれを大切に思っているかと言うと…

人に行動をうながすのは、とてもむずかしいことだと感じているからです。

 

正しいことであっても…

ニホンヤマネ ヤマネのイラスト 絵本  ヤマネの絵 dormouse illust  Picture book

 

例えばとつぜん、
 

モグラのイラスト アズマモグラの絵 日本の野生動物のイラスト  Mole illust
さあ! 防犯のボランティア活動を ぜひ始めてください!

こんな風に迫られると、すこし後ずさりしたくなっちゃいますよね。

 

みんな、何かと忙しくて、自分のくらしでいっぱいいっぱい。

 

どれだけ「いいこと」でも、気持ちや時間の余力は、ありません。

 

ネズミのイラスト
そうだよね。わかっちゃいるんだけどね…!

 
真正面から正論を伝えるだけでは、人の行動を変えるのは、むずかしい…。

 

ニホンテンのイラスト marten illust

 

わたしは大学で環境問題を研究し、伝えていくにはどうすればいいのか、日々考えていたので、 この思いを何度も噛み締めてきました。

 

だからこそ、まずは行動を「誰でもできるサイズまで小さくする」こと。

  

そのなかで、ポイントになってくるのが、つぎのお話です。

   

   

 

2ポスターの主役は「あなた」

リスと本を読む女の子の絵 Squirre illust2つ目に大切なのが主役はあなたというメッセージ。

 

デザインもイラストも、コミュニケーションの手段ひとつの手段です

 

だからこそ見た人に「関係ないや」と思われた時点で悲しいかな、終わりです

 

力のあるポスターに共通しているのは、見た人が自分のコトとして捉え事ができる事。

 

自分のコトとして思ってもらうために、ポスター作りで私が必ずやってることがあります。

 

それはこの問いかけ。

 

自分なら、それ、やるかな?

伝えたいメッセージ(促したい行動)に対して、自分ならやるか?と問いかけてみること。

 

ここで大切なのは、普段の自分モードで考えてみることです。
 

エゾナキウサギの親子 勉強のイラスト Pika

誰しも防犯ポスターを作っているときは、防犯意識が高まっているモードになってしまいます。

 

作る過程で、犯罪の発生率や、防犯の効果がどれ程かを調べるうちに…

 

防犯って大切だ!防げるなら防がなきゃ!

というメラメラ防犯モードになります。

 

そうではなく、普段まったく防犯の事を考えてない、ぼーっと道を歩いてる時の自分として、考えてみること。

 

伝えたいメッセージは、普段の自分の感覚でも「それなら」と受け止められるものか。

 

考えてみるようにしています。

 

 

 

 

自分でやりたいと思えるサイズまで、小さくする

「ポスター見ても、自分なら、これ別にやらないよなぁ…」

 

メッセージの段階でこんな状態だと、防犯効果の出るポスターには仕上がりません。

 

たとえ100時間かけて絵を描いても、伝えることができないので、もったいなく感じます。

鉱石のイラスト モグラ シマリス

どこまでサイズダウンすれば、ちょっとやってみようかな?と思えるか。

 

普段の自分が納得できるレベルまで、まずは行動を分解するのがポイントです。

   

 

 

 

 

3防犯ポスターは物語が重要

3つめに大切なのは、物語。

 

たとえばこちらの防犯ポスターの題材は”一戸一灯運動”です。

 

防犯ポスターのイラスト 防犯の絵 犯罪防止

地域安全運動ポスター 堺市安全まちづくり会議、堺市 2017年発行

 

一戸一灯という、表面上のテーマだけに注目した場合…

 

「1戸一灯運動とは」「何時から何時まで門灯を点灯しておいてください」「防犯効果のデータは…」という情報の解説になってしまいます。

 

でも、ゴールは、灯りの付いた町の状態にすることではありません。

 

町に暮らす人にとっての、一戸一灯のメリット。

 

それは雰囲気がよくて、犯罪の心配がない町に笑顔で暮らすこと。

 

 

 

物語に人は共感し、価値を感じる。

情報のパーツの寄せ集めのポスターは、味気なくなってしまいがち。

 

内容の理解はできても、そこに共感が生まれることはありません

 

シマリス 本の絵 リスの親子のイラスト エゾシマリス  Chipmunk illust

 

共感は、情報ではなくストーリーの中からうまれます。例えば…

 

なんだか懐かしいような温かい街のあかり。

 

つないだ手のぬくもり

 

ほっとできる月夜と街の家路のみち…

 

ネズミのイラスト
こういう明るい街って、なんだかいいな…。

人はそこに何かの価値を感じられるからこそ、行動することができます。

 

物語からうまれる、ひとりひとりの「思い」が、行動をうみだす力になる。

 

そんな思いを込めて、物語をつむいでいます。

 

 

伝わる防犯ポスターのデザインは

シマリスの絵 絵を描いているイラスト  Chipmunk以上が、ポスターを作る時の3つのコツのお話です。

 

警察署、市役所などで防犯ポスターのお仕事で、大切にしている方法をご紹介しました。

 

①それならできそう

②自分のことだ

③こんな風になったら素敵だな。

 

この3つの要素あって初めて、見る人に「行動」がうまれます。

 

防犯だけではなく、社会の問題をテーマにしたポスターにも通じるお話なので、よかったら、試してみて下さいね。

 

すこしでも、デザインのヒントになりましたらうれしいです。

 

 

 

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日本の小さな生きものイラスト作家 いぬいさえこ
日本の小さな生きものイラスト作家 いぬいさえこ
リス・野ネズミ、こども・繊細なものを描いています。ものごとを掘り下げて考える過程が好き。大学では環境問題や文化を研究。

コンセプトから立ち上げるものづくりが得意です。防犯・教育・環境など、社会とつながるデザインの仕事に多く携わってきました。

正論だけじゃ、人は動けない、解決しない。
どんな課題も、スプーン一杯の遊び心で、笑顔に変わる。
アートにはそんな魔法の力があると信じています。

仕事実績 /レーベル
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