写真を参考にイラスト化。著作権はどうなるの?

テンの絵 ニホンテンのイラスト 野生動物の絵 絵本タッチ ホンドテンの絵 marten illust

こんにちは、イラストレーターのいぬいさえこ@Inui_Saekoです。

   

イラストレーターへ絵を発注する時に、写真の資料を渡すことがありますよね。

   

このときに意外とよくわからないのが、イラストの資料に使う写真の著作権・肖像権

 

ニホンテンのイラスト 絵 日本の動物のイラスト marten illust
ん?でも写真をそのまま使うわけじゃないし、絵にするんだからOKだよね…?

さて、実際の所はどうなのでしょうか。

 

このコラムでは、イラスト資料の写真の著作権を、イラストレーターが絵のお仕事の現場の体験談をまじえながら、解説します。

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参考写真にも著作権・肖像権がある

基本的に、イラストの資料となる写真には著作権があります。

 

人物写真ならモデルさんの肖像権も。

 

このため雑誌の切り抜き、ネット上で画像検索で拾った写真…。

 

テンの絵 ニホンテンのイラスト 絵 日本の野生動物のイラスト marten illust
このままソックリに描いてほしいな♪

とオーダー頂く場合もあるのですが、ご要望にお応えできないんです。

    

すみません…!

 


参考資料 NGケース

・形が丸写し、トレース・模写
特定の写真を元にしている事が明らか

 

「資料を参考に」といっても…ここまですると写真を撮影した方への著作権の侵害になってしまうんですね。

 

リアルで正確性を求められるイラストは、資料なしに想像だけで描くのは不可能に近く、かといって資料通りに描いても著作権的にNGになることも。

 

実際のご依頼の現場でも、このバランスは結構難しいシーンです。

 

では、こんな時どうすればいいのでしょうか。

イラスト資料の著作権問題 こうすればOK

シマリスのイラスト リスのこども 絵本タッチ シマリスの親子の絵 Chipmunk illust お客様が使用権を持ってない写真資料に関しては、このように対応させていただいてます。

トレースにならないよう参考にする。

実際のお仕事で一番多いのはこの方法です。

 

「全く同じように描く」ことはできないことをお客様にご理解頂いた上で…

 

・色味やニュアンスを伝えるのに使う

 

・参考にしつつ、構成や角度を変える

 

複数の写真の複数のパーツを参考にする

 

1枚の資料をそのまま模写するのではなく、方向性を定めるための一つの素材として使うイメージです。

 

写真×イラスト化 参考ノウハウ

では、著作権に配慮する必要のある写真は、どのように参考にしているのか。

    

具体的な方法を2つご紹介します。

 

①3Dにして回転

 

まず私がよくやるのは、脳内でクルクル3D回転させる方法です。

 

シマリスのイラスト 絵本タッチ シマリスの絵 Chipmunk illust
このモチーフを、ちょっとずらして右斜め下15度あたりからみたら、どんな形になっているかな?

     

エゾシマリスのイラスト しまりすの挿絵 りすのカット絵 Chipmunk illust
グルっと裏側からみたら、どんな質感でどんな構造になってるんだろう?

 

②頭の中で再生ボタンを押す。

 

2つ目は、動かすこと。

 

人物やリスなど”生きてるモチーフ”の場合は、まさに脳内で動いてもらいます

 

たとえば1秒後には、どんな動きをしているのかな?

   
手の角度、毛の動き、筋肉の動き。

   
シマリスのイラスト 絵本のカット 親子の読書 リスの絵 Chipmunk illust

   

資料となる元写真から、ほんのすこし時間をズラした場面を想像します。

 

映像の再生ボタンを押すイメージで、脳内に浮かんだ残像を即座にスケッチ。

 

こんなふうに写真の時間軸や角度をずらしていくと、アウトラインは重なりませんし、画面にオリジナリティもでてきます

 

資料となる写真は脳内デッサンの為の材料…と言えるかもしれません。

 

ちなみに、この材料は1枚の写真ではなく、何枚かの写真というのもポイント。

 

1枚だけ見ると、どうしてもその1枚のイメージに強く引っ張られてしまうからです。

 

ニホンリスのイラスト 夏毛のニホンリスの絵 日本の野生動物のイラスト Squirre illust
なので、資料は1枚ではなくて、何枚か用意するのをオススメだよ♪

何枚かの写真があれば、写っていない箇所も脳内で補完しながらデッサンしていく事ができるのです。

 

ここの話をもう少し詳しく知りたい方は、こちらの関連記事もどうぞ。

 

関連記事 イラスト×資料の活用方法

 

写真の著作者に連絡・使用許可を得ればOK

さて、まれなケースではありますが「どうしてもこの写真の通りに描いてほしい!」という時は、どうすればいいのでしょうか。

 

ズバリ、写真を撮影した方にOKを貰えれば問題ありません。

 

著作権の侵害とはそもそも、だれかの著作物を使う事自体がNGなのではなく、許可無く使うことがNGなのですね。

 

ただネットで拾った画像は、撮影者が分からないケースや、使用料の交渉に時間がかかるケースもあります。

 

つぎに、ネットでみつけてきた画像でも大丈夫なケースをみてみます

ネットから保存した画像でもOKな場合

テンの絵 ニホンテンのイラスト 野生動物の絵 絵本タッチ ホンドテンの絵 marten illust

イラストレーターに全体の色合い雰囲気ニュアンスを伝えたい。

 

こういった場合は資料からイメージをふくらませるだけなので、ネット上の画像でも基本的に問題ありません。

 

お客様がどのような表現を求めているのか。

 

さらにこれから制作するイラストを通じて「伝えたいこと」は何なのか

 

まだお客様の中でも言語化されていない微妙なニュアンス等を紐解いていくのに、具体的なビジュアルは大きなヒントにもなります。

 

 

写真で具体的なモチーフを指定するときは要注意

しかし、モチーフを詳細に描写する必要がある時は注意が必要です。

 

写真の被写体のカタチをリアルに描いていく事で、著作権の侵害になってしまうこともあるんですね。

 

そこで、写真から忠実に描写したい場合は、次の2つの方法がおすすめです。

 

  • お客様自身で資料を撮影
  • 商用利用可の写真サイトで探す

トレースも模写も、それ自体がアウトなわけではありません。

 

写真の使用権(使ってOKな権利)があれば、見たまま描いても大丈夫なのです。

絵の資料を自分で撮影する

テンの絵 ニホンテンのイラスト 動物イラスト カメラの絵 marten illust まずオススメしたいスムーズな写真資料の用意の仕方はこちら。

・自社のグッズ・製品


・地元のスポット ・観光名所の写真

   

ご自身で使っている楽器

   

…発注した絵のモチーフが、身近で撮影できる場合。

 

お客様ご自身で撮影して送っていただけると、著作権の面はクリアできます。

 

自分で撮る写真はピンポイントに描きたい部分を伝えられるので、イメージのズレもありません。

 

イラストの精度が上がったりメリットがいっぱいありますので、是非おためしください

 

商用利用可の写真素材サイトで検索する

次におすすめの方法がこちら。

 

資料の写真をネットで検索する時に、最初から商用利用可のサイトを使うと著作権のトラブルの可能性をぐっと下げることができます。

 

もちろん、写真素材の配布サイトごとや完成した制作物の使用内容によっても規約が違うので、イラストレーター側でも制作に取り掛かる前に確認させていただいてます。

 

たくさんの美しい写真が高画質で公開されていて、色や雰囲気でも検索が可能なのでおすすめです。

 

資料を渡すときは、写真の身元を明らかに

ネットで拾った画像、自分で撮った写真、知り合いが撮った写真、商用利用可の素材写真…

 

ひとくちに資料写真と言っても、その出典元は色々。

 

これまでのお仕事でも、渡された身元不明の資料を手に困ってしまうことも結構ありました。

 

なので、イラストの写真を渡す時は…

ニホンテンのイラスト 絵 日本の動物のイラスト marten illust
ネットの画像検索で見つけた写真だよ。参考程度にね。
ヤマネのイラスト 絵 日本の動物のイラスト dormouse illust
これは自分が撮った写真だよ。そのまま描いて大丈夫。

こんな風にひとこと添えていただけると、とってもスムーズです。

 

写真の著作権、知っていればスムーズ

 

まとめ

 

・絵でも写真を丸写しだと著作権侵害になる


・絵の仕事ではトレースにならないよう参考にしている
   

・自分で撮影したものや商用利用可の写真がおすすめ

   

   

イラストと写真資料の権利のお話って、意外とわからないですよね。

 

でも、こんな基本的な事だけでも知っておけば、資料の準備もスムーズで制作がスイスイすすみます。

 

著作権について確認したり、ご説明したり、絵のお仕事では、絵を描き始める前のやり取りに時間がかかる事が、結構あるあるなのです。

打ち合わせのカット シマリスとテンのイラスト 野生動物の絵 絵本タッチ Chipmunk marten illust cut

制作のやり取りの中で、発注する時に少し知っておくと、絵を描く事に使える時間がグッと増えます。

 

その結果イラストレーター側も、より早い時間で、もっとクオリティの高い絵を仕上げることができるので、お客様のメリットもかなり大きいです。

 

ヤマネのイラスト 絵 日本の動物のイラスト dormouse illust
絵のご依頼の時にぜひ、ご活用下さい♪

 

 

 

【この記事とあわせてよく読まれています】イラストを発注したい方向け

【絵の依頼】イラストレーターへの伝え方のコツ

 

 

著作権 おすすめの本

エゾシマリスのイラスト しまりすの挿絵 りすのカット絵 Chipmunk illust
著作権について、くわしく知りたい方におすすめの本です。

こんな方に特におすすめ

・クリエイターの方/絵を発注する方

・最新版の情報が知りたい方

 

※どちらも2018年刊行の本です。

ビジュアルデザイン発注時に知っておきたい!
著作権のキホン トラブルを未然に防ぐ対策Q&A

 

 

月刊MdN  2018年2月号
特集:著作権をめぐる表現と権利の物語

 

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小さな生きものイラストレーター いぬいさえこ
小さな生きものイラストレーター いぬいさえこ
リス・野ネズミ、こども・繊細なものを描いています。ものごとを掘り下げて考える過程が好き。大学では環境問題や文化を研究。

コンセプトから立ち上げるものづくりが得意です。防犯・教育・環境など、社会とつながるデザインの仕事に多く携わってきました。

正論だけじゃ、人は動けない、解決しない。
どんな課題も、スプーン一杯の遊び心で、笑顔に変わる。
アートにはそんな魔法の力があると信じています。

仕事実績 /レーベル
大阪市 堺市 大阪府警察 東京大学 大阪府立大学 滋賀県知事 日本学術会議 日本損害保険協会 ポニーキャニオン 宝くじ

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