防犯ポスターづくりは、まちづくりの一部。

星と夜空の幻想的な絵 イラスト

こんにちは、大阪のイラストレーターのいぬいさえこです。

 

防犯のポスターを作る時、どんな路線でいくか、頭を抱えてしまいますよね。

 

リスのイラスト レトロな水彩画風の絵 絵本タッチ
どんな防犯ポスターが効果的なんだろう?

 

犯罪したらこうなるよ!って罰を想像させるもの?

 

目がギョロッとこちら見てるデザイン?

 

恐ろしい犯人がこちらを狙っているもの?

いろいろなアプローチがありますよね。

 

私はこれまで15年、防犯のポスターを作ってきました。

 

そこで見えてきたのは、心を和ませる美しいデザインが一番防犯に効くということ。

 

犯罪への注意を呼びかけるのに、ほんわか系?

 

そう思われるのは、ごもっともです。でも、これには理由があります。

 

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まちの景観が、犯罪の発生率を下げる

まちがキレイだと、犯罪の発生率が下がる、という話を聞いたことがあるでしょうか。

 

犯罪心理学では「割れ窓理論」と呼ばれているものです。

割れ窓理論とは

窓が割れているのを放置すると、誰も注意を払っていないサインとなり、犯罪が起こりやすくなる現象。

 

人間、ゴミだらけの所では、ちょっとくらい…と思ったとしても、チリひとつ落ちてない所ではポイ捨てできません。

 

小さな軽犯罪、町のすさみが次の犯罪を誘発してしまうのです。

 

落書きを消したり、ポイ捨て・騒音・違法駐車を取り締まる…まさに攻めの防犯ともいえるでしょうか。

 

明るく、居心地のいい街を作り出すことで、重大な犯罪の種を未然に防ぐ取り組みです。

 

 

ニューヨークの成功例が有名ですが、日本でも足立区が町の美化に取り組み、犯罪の認知件数を減らすことに成功しています。

 

ビジネスでも、ディズニーランドがこの理論を実践して成果を挙げているようです。

 

ポスターは、町の景色の一部になる。

この犯罪心理学は、ポスターのデザインにも応用が効くのではなしでしょうか。

 

怖いポスター、ドキッとするポスター…

 

防犯のためとはいえ、気が重くなるポスターを町にベタベタ貼ってしまうと、美しい町の景観かは遠ざかってしまいます。

 

まち中に掲示されるポスターは張り出された瞬間に、まちの景色の一部になります。

 

だからこそ、町に溶け込み、心を和ませる空気感を作り出す。

 

…そんな美しいポスターが、犯罪の抑止に深い所で効果を生み出すと考えています。

ポスターづくりは、まちづくりの1部

私はデザインを考える時、決して「たかがポスター1枚」とは思わないようにしています。

 

ビルを建てる、施設をつくる…まちづくりとしては本当に小さな存在。

 

たとえポスター1枚でも、「まちの一部になって、全体の空気をうみ出す1つの存在」

 

キレイなものや心地よいもの繊細なものに触れると、心がほっとします。

 

心がほんわりしている人が増えると、その町の雰囲気は変わります。

 

ポスター1枚でも、町と人の心をプラスにする魔法がある

人の心に笑顔を生むことで、犯罪・環境…世の中の問題の根っ子にアプローチする。

 

それがアートの力であり、デザインのお仕事の本質だと私は考えています。

 

アプローチの1つとして、防犯ポスター作りに悩まれてる方にとって何かヒントになれば幸いです。

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いぬいさえこ
いぬいさえこ

大阪のイラストレーター。こども・動物・時間・繊細なものを描いています。ものごとを掘り下げて考える過程が好き。大学では環境問題や文化を研究。

コンセプトから立ち上げるものづくりを得意で、市役所・環境問題など、社会との接点を持つ企画に多く携わってきました。

どんな課題も、スプーン一杯の遊び心で、笑顔に変わる。
アートにはそんな魔法の力があると信じています。